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こんな会社に誰がした!第10回:従業員は社長の本気度を見抜く
2010年10月12日
今回の組織を蝕む原因は「決めたことを継続できない社風」です。
例えば、社内で毎月1回、ヒヤリハットの勉強会を実施しようと決めたとします。最初の2、3か月は実施できるのですが、次第に忙しさにかまけて、実施できなくなる会社は非常に多いです。できなくなった直接の原因はドライバーにあります。しかし、このヒヤリハットを「絶対に続けていくぞ!」と本気で考えているのなら、社長をはじめ、専務や管理者が何とか工夫をするはずなのです。
それができない。一事が万事です。このような運送会社は、ミーティングや社長命令で何かをやると決めても、おそらく継続できません。
例えば、事故が多いので社速(一般道時速60キロ、高速道時速80キロ)を徹底することを社内で決定したとします。
ところが、ちょっと仕事が忙しくなったり、荷主から無理な着時間指定があったりすると、社速の違反を社長や専務、管理者がいとも簡単に容認してしまいます。
このような運送会社は要注意です。理由は、会社決定事項に対する不信感が社内に蔓延するからです。「どうせ、社長が思いつきで決めたことだから、すぐにうやむやになってしまうよ」。そうドライバーが思って会社決定事項を守らなくなるのです。
この症状は慢性病ですので、すぐに会社が傾くということはありません。じわっ、じわっとしたペースで知らず知らずに運送会社の内部(組織)を蝕んでいくのです。
この病気を治す特効薬は残念ながらありません。社長か後継者が気づけるかどうかにかかっています。社長や後継者は、この恐ろしい慢性病に気づき、会社の悪しき習慣を改善する決断をし、実行しなければなりません。
私がこの連載の冒頭でお話ししたとおり、組織を蝕む原因は、最終的にはすべて社長にあるのです! 社長の経営姿勢、経営方針に問題があるから、様々なトラブルや事故が発生するのです。社長や後継者以外の誰の責任でもありません。
会社で決めたことが継続できない理由は、「何としてでも自分の会社を良くするんだ!」という社長や後継者の覚悟が足りないだけなのです。
「決めたことを継続できない社風」組織を蝕む最も大きく、最も深刻な原因ですね。
次回から、新連載「処分される会社、されない会社」をスタートします。ご期待ください。
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