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    「出向」で処分を回避 社保未加入者を使用

    2010年10月27日

     
     
     

     社保未加入に行政も厳しい対応を採っている。運送業界でも厳しい処分の対象となるなか、大阪府下の運送事業者が社保未加入の一般企業の労働者を出向させてドライバーとして使用。労働者は数十年、同社でドライバーとして働いてきた。しかし、昨今の厳しい処分を同社も深刻に捉え社保加入を促すものの、目先の現金収入が減少するため拒んでいるという。


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     福利厚生費の負担軽減から、労使双方が了承した上で許認可を要しない会社を設立したのが始まりだった。設立した会社で社保未加入のドライバー数人を雇い入れ、運送会社側では同ドライバーを出向労働者として受け入れて今まで通りに使用。この会社から出向費として請求を受けて、給与は社会保険費などを足さずに出向費だけを支払い、未加入状態のまま働かせている。

     大阪労働局に聞くと、「出向労働には在籍と移籍の二種類がある。在籍は労働者が雇い主と対等で、出向を望まない労働者に強要はできない。移籍は出向受け入れ側が雇い主となることから、給与をはじめ社会保険や税金関係を出向先が労働者の給与から天引きすることになる。出向労働契約には本人との書面での契約が必要だが、出向労働者が了承した場合、口頭でも問題はない」と説明する。

     さらに「社保の確認については、出向先はドライバーとして働かせる場合、免許資格の確認ならびに点呼や飲酒に関係する管理が必要。社保の管理については出向させている会社での問題」として、社保未加入についての契約確認などはないようだ。

     近畿運輸局は「適切な出向契約や免許資格管理などがあれば、出向労働者をドライバーとして運送事業者が受け入れても問題はない。出向を行う企業に運送事業許可などの資格も必要ないため、例えば物品販売の会社から運送会社に出向して、ドライバーをしていても特別な規制はない。書面での出向契約があれば監査が行われた場合、出向労働者の内容が理解しやすいため行政は明確に処理できる」と話している。

     実際、大手物流会社でも配車担当やドライバーを下請け運送会社に出向させて、下請け会社から出向費として請求させるところもある。出向費を支払って、社保や厚生年金、税金(源泉)などは出向させた運送会社が全て負担させられるというもので、仮に下請け運送会社が出向させたドライバーが社保未加入でも、出向先では違法にならない。労働者を使用して社保未加入が発覚しても行政処分に問われることはないのだ。

     こういった背景から、監督官庁からの指導や行政処分を受けない「許認可を要しない会社」を設立しているという動きもあるようだ。(佐藤弘行)

     
     
     
     
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