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覚せい剤所持でドライバー逮捕 運輸業界の対策も急務
2011年1月24日
関東運輸局管内で、事業用自動車運転者が覚せい剤所持容疑の現行犯で逮捕され波紋が広がっている。14日に関東運輸局は管内運輸支局長に、事業用自動車運転者等の覚せい剤等使用の防止の徹底を通知。芸能人などが薬物で逮捕される事件が近年、世間を騒がせてきたが、運輸業界も薬物汚染は縁遠い話ではないようだ。
通知のきっかけとなった事件は7日にあった。覚せい剤をバッグに隠し持ったとして警視庁新宿署は、京成バスの男性運転者、高松巳由紀容疑者(41歳)を覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕した。同日午後10時45分ごろ、新宿区歌舞伎町の路上で覚せい剤を所持していた容疑だ。同容疑者はインターネットで知り合った人から買い、約1年前から使用していた、などとほのめかしている。船橋営業所所属の契約社員で、勤続1年1か月だったという容疑者は、6、7日の2日間は公休日だった。京成バスでは「今回の件は当社をご利用になるお客様はもちろん、バス業界全体の信頼を著しく損なうものであるとして、事態の重みを深く受け止めております。今後、二度とこのようなことを起こさぬよう、改めて従業員への指導教育を徹底し、信頼回復に努めてまいります」としている。
こうした事件は容疑者本人だけでなく、会社に与える影響も少なくない。覚せい剤など薬物乱用の対策は社会問題となっている。インターネットなどで、犯罪につながる情報を容易に入手できるという。今回逮捕されたバス運転者も、ネットで知り合った人から入手したと話している。
薬物中毒は、言動や行動に極端に異常がない限り気がつかない。覚せい剤使用者を見抜く知識や経験がなければ素人が見抜くのは難しいだろう。アルコールチェッカーのようにセンサーで判断する機器もないため、運行管理者が対面点呼で薬物使用までチェックするのは困難だ。
万一、ドライバーが薬物使用や保持で逮捕された時には、経営に与える影響は深刻だ。薬物使用を的確にチェックする機器がない現状では、従業員に薬物使用の恐ろしさや被害の甚大さを教育し、管理者が一層の注意力を高めていくほかなさそうだ。「薬物に手を出すな」。その真剣な一言が、従業員の人生と会社の将来を救うのかもしれない。(千葉由之)
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