-
トピックス
第43回:借りた側の弱み
2011年5月20日
金融機関で融資を受けた社長が大変なことになっています。社長の会社は全く仕事がない状態が続いており、先々月は何とか乗り切りましたが、先月は金融機関で融資を受け資金をつなぎました。翌月には借金の返済期日がやってきますが、売り上げがなく、金融機関に返済期日の延長を申し込もうかと考えました。
その際、融資の申込書の控えを見直したところ、大変なことに気づいたというのです。申込書の保証人署名欄に、社長の父親の名前が記入されているのですが、署名自体が社長の字でもなく、父親のものでもないということでした。以前、同じような融資で父親に保証人になってもらったことがあるため、自動的に父親が保証人になるのかなと思ったそうですが、誰が記入したのかわかりません。父親に相談してみたところ、多くの借金を抱える息子の援助をしてきたために父親自身もお金がなくなったことや、知らない間に保証人になっていることに大激怒していました。
社長と父親の話し合いは続き、もし、保証人欄の署名について金融機関相手に喧嘩をすれば、金融機関は争っている社長の会社に融資をしなくなり、今の会社の状況では新規の金融機関も相手にしてくれず、会社は資金が途絶えて倒産することになる、だから黙って返済したほうがいいという結論となり、家族全員でお金を集めて借金返済の資金をつくりました。社長は借りた側の弱みを思い知らされた、と疲れた表情で話してくれました。
-
-
-
-
「トピックス」の 月別記事一覧
-
「トピックス」の新着記事
-
物流メルマガ