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第47回:黒字喜んだのも束の間・・・
2011年6月10日
7年前に脱サラをして株式会社を設立した社長が、初めて税務調査を受けることになりました。
会社は社長1人だけの大変小さな規模です。設立当初からの5年間は、ずっと赤字決算でしたが、原因は仕事の単価が低かったことと、多くを外注に回していたことによります。赤字による資金の補填は、サラリーマンをしていた会社からの退職金をつぎ込んでいたそうです。赤字続きの決算で一度だけ黒字になった決算がありますが、それは会社から引き出していた社長自身の給料を経費科目にせず、会社資金の補填として入れた借入金の返済として会計処理したことで、無理矢理に利益を出したものでした。
社長は色々なセミナーに通い、そこで友人になった異業種の社長と経営の話をすることで、考えを改めることができたといいます。単価の低い仕事は外注に回さず、自分が残業すれば原価は抑えられ利益が出るというのです。おかげで会社は直近の2年間は黒字決算となりました。
やっと赤字から脱出できた、と喜んでいたところ、今度は税務調査です。なぜ社長1人の小さな会社に税務署が来るのだろうと、また、友人でもある社長らに聞いてみたところ、大不景気の影響で税務署に提出される決算書の7割は赤字決算だそうで、そんな状況で黒字決算を続ける会社は規模に関係なく調査に来たくなるのは当然だろう、と言われました。必死で黒字決算をした結果が税務調査となることに落胆しています。役員報酬をしっかりとって赤字決算にしておけばよかった、と話してくれました。
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