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    三豊、日野 裁判始まる 冷凍ボディー不具合問題

    2011年8月29日

     
     
     

    syaoku_0829.jpg 大型冷凍車のボディー不具合を巡り、ユーザーの三豊物流(外山芙美子社長、小樽市)とディーラーの北海道日野自動車(任田慧社長、札幌市東区)が、製品の改修と責任の所在について3年以上にわたり話し合いを続けてきた問題(本紙既報)で両社は24日、札幌地裁小樽支部で第1回口頭弁論を行った。この問題に関係する他ディーラー2社は、三豊の不具合の訴えを聞き入れ、ボディーの修理を済ませているが、日野は「何ら責任がない」と三豊と争う事態となった。



     日野は5月、三豊に対して、冷凍用保冷箱に不適合があったことから、販売者として早急に不適合を修理する必要があると判断し、「修理費用の負担の帰属がどこにあるかは別として、納入した冷凍用保冷箱の修理をさせてほしい」と書面で通知してきた。

     この申し入れに対し、三豊は誰が費用を負担するかわからないため、「修理費用は日野が負担するのか」「修理期間の休車補償はどうするのか」「これまで自社で行った応急処置にかかる費用はどうするのか」「不適合ではなく、これまで口頭で述べた通り、商品価値のない冷凍箱と明記すべき」の4点について回答を求める質問書を日野に送り返した。

     回答を待っていた三豊は7月、日野から「債務不存在確認請求」についての訴状を受け取り、訴訟に発展する事態となった。

     日野は「冷凍用保冷箱に瑕疵(かし)または不適合があったとしても、その責任は製造物責任の存否によって解決されるべき」とし、「ディーラーには何ら責任がない」「三豊が求める修理代金・休業損害等の請求について支払い義務は存在しない」と主張。架装メーカーに責任を求めてくれ、といった姿勢を示すが、架装メーカーは三豊に対し、「製品に不具合はない」「ディーラーに売っており、三豊と直接の取引をしていない」として、不具合解消に向けた動きを拒否してきた。

     この訴状では、三豊が保冷箱の修理代金360万円、修理期間中の休業損害200万円の損害を請求しており、合計560万円の債務がないことを確認すると求めているが、三豊は「口頭でも書面でも、このような請求をした事実はなく、気味が悪い。うちが560万円の負担を要求しているという日野の訴えは明らかに嘘だ」と困惑。「日野は販売したボディーに商品価値はないと話していたにもかかわらず、『補償はしない』と明言し、不具合の解消を長年避けてきた。最近まで修理する姿勢も見せず、金額交渉以前の段階だった」と説明する。「販売者として修理する必要がある」と伝えてきた後に「何ら責任がない」と費用負担を拒否してきた日野の態度にも不信感を募らせている。

     三豊は8月、日野からの訴訟告知書を受け取った。この債務不存在確認請求事件について、日野は架装メーカーを被告知人として訴訟告知し、「万一、原告(日野)が敗訴した場合には、原告は被告知人(架装メーカー)に対して損害請求をなしうるものと考える」とする内容。三豊はこれに対し、「問題解決は本来、ユーザーとディーラーとですべきであり、問題解決に至らなかったのはディーラーの態度にある」「製造物責任の問題と、売買契約の瑕疵担保責任とは別の問題」「販売者の日野は製品の瑕疵について、三豊に対する責任を免れる余地はない」とし、この訴訟は「日野が三豊との直接の話し合い解決を回避するためだけに提起されたもので、訴権の乱用である」とする答弁書を札幌地裁小樽支部に送付した。

     今後、両社の主張の是非は、裁判所で争われる。(玉島雅基)

     
     
     
     
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