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「なくす」のではなく「減らす」
2011年10月14日
今年2月、豊橋市の東名高速で渋滞中の車にトラックが追突し、3人が死亡した事故の判決が出ました。ドライバーの罪が、運送会社の指示による過労が原因であることを理由に「減刑」になるかが一つの焦点でした。結果は「禁錮5年4か月」の実刑。判決では「疲労の原因までドライバーが責められる立場ではない」としながら、「疲労を理由に減刑するのは相当でない」という内容でした。
一方、労働基準法違反で運送会社と営業所長のそれぞれが略式起訴で「30万円の罰金」となりました。但し、国土交通省の行政処分はこれからですが…。今回の判決で、今後どうなるのでしょうか? ドライバーの中には、過労となる長時間運行を?拒否?する人も出てくるかもしれません。?拒否しない?にしても、会社の指示であったことを記録に残すドライバーも出てくるかもしれません。今までの配車の仕方を、今後は改めなければならなくなりそうです。ドライバーの立場からすると、「過労による重大事故を起こせば、結局、俺たちが重い処分になるだけで、会社は大した処分にならない。それなら最初からそんな仕事を断った方がいい」。このような感情を持つのが普通ではないでしょうか?
それでも会社側が無理を言えばどうなるか? 三つのことが考えられます。一つ目は、ドライバーが会社を辞める。二つ目は、ドライバーが労働基準監督署に内部告発をする。三つ目は、会社の言われるまま黙って仕事をする。(但し、会社からの指示があったことを、何らかの形で記録に残すかもしれません)
どのケースでも会社にとってはダメージが大きいですね。やはり本腰を入れて、拘束時間などの違反を?減らす?改善策を考えるべきです。
本当は?なくす?必要がありますが、中小運送業界の実態を考えれば?減らす?ことが現実的です。さらに?減らす?ことでも様々な問題が噴出します。例えば、ドライバーの給与が減る、会社の売り上げや利益が減る、その他にもあると思います。コンプライアンスのために発生するこれらの問題をどのように?改善?するのかに知恵を絞ることです。「法令違反を?なくす?のではなく?減らす?ための改善策を考え、実施すること」。これが運送会社の危機管理の基本的なスタンスです。
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