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    分刻みの時間指定 早く到着しても文句言われ…

    2011年10月24日

     
     
     

    taiki_1024.jpg 運送のプロにとって「延着」は論外だが、安全を考えて早く到着したにもかかわらず、文句を言われるなら心外だろう。しかし、そうした納得できない現実が運送現場では日常的に繰り返されているという。「分刻みの到着時間指定」が珍しくなくなっている現状では、「万一のことも考えて早めに到着する」というケースまでも責めに遭うことになる。



     建設現場へ資材などを運び込む仕事では、近隣住民への配慮から「特に細かな時間指定を求められる」(広島市の運送会社)というが、その注文にこたえるドライバーの苦労は少なくない。例えば、「『オタクのトラックは午前10時12分に現場に入ってくれ』と分刻みで指定されるのが通常。早く着いたから、下見をしようと現場前を素通りすることも『住民への配慮』から禁止。到着時間の猶予幅は指定の前後5分しかないにもかかわらず、見えないほど遠くで待機するように求められる」と説明する。

     円滑な積み下ろし作業をこなすには仕方のないことかもしれないが、厳しく到着時間を求められるなかで待機場所の確保が実運送会社の課題になっている。

     神戸市の運送会社では、目的地に近いコンビニを活用することが大半という。「早く到着しても構内に入れず、周辺での待機も認めてくれない。コンビニの経営者に事情を話して使わせてもらい、ときには寝てしまったドライバーを起こしてもらうこともあって助かっている」と話す。

     一方、そのコンビニの配送シーンでも、延着ではなく「早着」の対策に苦労するケースがあるというから意外だ。大手コンビニの配送を手掛けている運送会社によれば、「担当コースに店舗が増えれば配達時間のスケジュールにもズレが生じるが、この場合は少し遅れても大きな問題とならない半面、頭を痛めるのが閉店。店舗が減っても従来の配達時間を繰り上げることは簡単に認めてもらえず、かといって店舗の駐車場で待機することもダメ。結局はドライバーが、どこかで時間つぶしをしなければならない」とのことで、ときにはライバルのコンビニ店の駐車場で配達時間を待つこともあるらしい。

     ちょっと違った意味で「早着」が問題になる場合もある。食品などを扱う岡山市の運送会社では過日、「本便に積み切れなかった荷物を傭車に頼んだ」と社長。その事情を荷受け先の担当者にも説明していたが、積み残しとなった格好の「ハンパな荷物」が本便より先に到着。本便だった同社の運行管理者によれば、「片側2車線の道路の右側をスイスイと走った傭車が先に着いただけのこと」というが、荷受けの担当者は事情説明を求めてきた。

     CO2削減などによるグリーン物流を実現するために荷主、トラック事業者がパートナーシップで事業を進める時代。トラック事業でも環境問題へ積極的に臨んでいる。ただ、最前線となる物流の現場には、こうした外部からは見えづらい厳しい事業環境が、手付かずの状態で取り残されているのだ。(長尾和仁)

     
     
     
     
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