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元請けがドライバーに直接交渉 時給支払い早朝作業依頼
2011年11月22日
大手運送会社の中には、下請けに厳しい要求を行うこともあり、公取委が下請法などを強化しているものの、依然、大手が下請けを適正に扱わないケースは多いようだ。
大阪府の運送会社は、大手運送会社で集荷・集配をはじめセンター間の横持ち輸送を行っており、午前9時から輸送が開始され、夕方の決まった時間に仕事は終了していた。しかし、社内の内部調査で大手運送会社に専属輸送している車両が、開始時間が午前9時にもかかわらず早朝に自社を出発していることが判明。不審に思った同社が元請けの大手運送会社の配車担当者に確認したところ、担当者は直接交渉を行って時間給をドライバーに支払い、早朝の作業を依頼していたことを明らかにした。同社は、あ然としたものの、元請けとは付き合いが長く取引額も多いことから、今後の対応について慎重に話し合おうとしている。
同社社長は「かねてから、開始時間の数時間前から出勤していることを不思議に思った事務員が、元請けへの請求金額と労働時間がおかしいことに気がついた。相手側の担当者は作業を手伝ってもらって数時間で数千円支払っていたと言っているが、今後、詳しい調査を行えば1か月で数万円になるのではと思われる。当社としても厳しい対応を考えたいが、元請けとの取引事情も考えて穏便にトラブルを回避して、ドライバーの変更などを行い、個人で勝手な取引が出来ないような対策を検討していくしかない」と話す。
数十年前なら、ドライバーが地方に輸送を行った際に、帰り荷がない状態であれば、荷主などに直接交渉を行って、小遣い稼ぎとして会社に内緒で輸送を請け負ったケースなどはあったようだが、最近ではデジタコやGPSによる車両管理が徹底され、こういったケースもなくなったと思われていた。しかし、1日数時間だけの作業なら、「荷待ち時間だ」などとごまかしも可能で、より徹底した作業管理が必要なのかも知れない。(佐藤弘行)
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