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    これだけで…重大処分 「今の運輸当局は処分行政だ」

    2011年12月12日

     
     
     

    truck2_1212.jpg 10月末の段階で「事業停止」処分を受けた運送事業者は全国で60社を数えており、昨年(63事業者)を上回る状況になっている。物量の減少と運賃低迷、燃料油価格の高止まりなど厳しい経営環境でのやり繰りが続いており、遊休車両を抱える余裕もない。仮に長期間の車両停止にでもなれば、それにともなう収入減が企業の存亡に直結する事態だが、それが事業停止処分なら死刑宣告にも等しいのが実情だ。ただ、法令順守に努めるものの、パーフェクトが容易ではないトラック運送の関係者にとっては戦々恐々の日々が続く。「これだけで…」「そんなことが…」との思いを口にする、重大処分を実際に受けた経営者らに話を聞いてみた。



     「事故を起こしたわけではなかった」と切り出した社長の会社が受けた処分は事業停止こそなかったものの、250日ほどという長期間の車両停止。ドライバーが出先で飲酒検問に引っ掛かり、それが原因で運輸当局による監査が入った。ドライバーの話では最近、「高速道路のサービスエリアなどでも検問している風景を見るようになった」という。

     同社が監査で指摘された違反項目のうち、最大点数が科されたのが労働時間で9点(90日車)。それ以外の違反も合計で300日車近くにのぼったが、最大点数が科される違反項目のほかは半減されるという流れから、250日車ほどの処分となった。酒気帯びという悪質違反だったために基準日車数をカウントする段階で「再違反」が適用され、予想を大きく上回る重い処分内容になってしまったが、再違反の扱いでなければ65日車程度で済んだ計算だった。

     仮に、死傷者が絡む事故を起こしたり、会社が容認していたと判断されれば処分は一段と厳しくなる。例えば飲酒を例に挙げると、「酒気帯びとは『呼気中のアルコール濃度が0.15ミリグラム/リットル以上』であるか否かを問わない」というルールを踏まえた場合、要はゼロでない限りは管理責任が問われ、容認の嫌疑がかかる可能性も。

     一方、事業停止の処分を受けた別の社長によれば「点呼が未実施の場合は記録、保存の項目も当然ながらダメなわけで、これだけで違反は三つ。うちの場合は全体の3割ほどで点呼の未実施を指摘されたが、事故を起こしたドライバーが無資格運転(悪質違反)だったことで、この三つだけで100日車近くになるとの説明を受けた」。実際には前述した「半減システム」で点呼の違反部分は50日車ほどになったが、点呼の完全実施が簡単ではない運送現場にとっては深刻な問題だ。

     資格のない者が点呼業務に当たっていたことで大きな処分を受けた会社もある。同社によれば「取引荷主から招き入れた業務部長が、何を勘違いしたのか点呼簿に自分の印鑑を押していた。運行管理者の資格は持っておらず、立場的に補助者とするわけにもいかなかった」と初歩的なミスを悔いる。部長による点呼は未実施としてカウントされた。

     また、「数人が健康診断を受けていなかっただけで車両停止の日数を加算された」会社や、「連続運転時間のオーバー分が、5分刻みで違反点数として加算されることを初めて知った」と話す社長も。「監査の際に経理関係の書類から名義貸しを疑われ、しつこく質問された」と話す関係者もあったが、同社は「事故を起こしたドライバーに負担させている損保の免責相当分の入金処理が不適切だったため」に不要な疑いをかけられたようだ。

     厳しい処分を受けた事業者からは「いまの運輸当局は処分行政でしかない」「コンプライアンスが完ぺきでない限りは、あすは我が身というのが現実」という声が聞かれる。「監査を経験したことで今後の対策が取りやすくなった」と皮肉交じりに話す関係者は、「例えば直近3か月分の運転日報やチャート紙、運行指示書、整備関係書類、健康・適性診断の実績など押さえどころはわかった。いずれも日ごろから整えておかないといけないが、監査が入ると感じた時点で『やれる限りのことはやっておく』ことも大切」と意味深長なコメントも残す。(長尾和仁)

     
     
     
     
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