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    配車マン育成に苦悩  重要ポストだけに困難?

    2011年12月21日

     
     
     

    truck4_1219.jpg 社長の右腕とも言える配車マン。利益を出すためにも効率化を図る上でも、その役割は大きい。荷主の物流コストの抑制が続くいま、有能な人材を配置したいところだが、その育成に悩む事業者の姿が見られる。



     埼玉県で雑貨輸送を手掛ける事業者では、長年その役割を担ってきた配車マンが定年を迎え退いた。代わってベテランドライバーを配車マンに抜擢したという。同社に長く勤務していることから、あらゆる業務に精通しており、最適の人材でもあった。

     社長も信頼を寄せ、大きな期待をしていたという。しかし、いざフタを開けてみると思ったような成果が得られなかった。配車効率が全く向上しなかったからだ。「運賃水準が下がる一方で労働時間は短くしなければならない。そんな厳しい経営環境の中では、いかに効率のいい配車を組めるかが、会社の存続にも大きく影響する」と指摘する同社長だが、現場ではその考えが実行されていなかった。「いくら口で言っても理解しない。理解していても、なかなか実行に移せないというのが本当のところだろう」とため息をつく。

     配車マンは以前、ドライバーのリーダー的な役割を担っていた。しかし、配車となるとドライバーの顔色を伺ってしまう。そのため、私情が入って思うような配車が組めないという。なかなか結果が見えてこず、とうとうドライバーに戻りたいと言い出したのだという。他に人材が見当たらないため、引き止めているが社長は、「配車マンの育成がこんなに難しいものとは思ってもいなかった」と話している。

     千葉県の事業者も配車マン育成の難しさに直面している。任命した配車マンは、真面目で一生懸命に仕事をこなす。その姿勢には、社長も信頼を置いているが、経営という観点から見ると不満が残るのだという。

     例えば、荷主からしばしば運賃の安い利益の出ない仕事の依頼があるが、配車マンは「次につながるから」と安請け合いをしてしまう。「今まで、次につながったことなどなく、いいように使われているだけだ」と社長は指摘する。

     「やればやるだけ赤字になる。そんな仕事をこなせば会社の経営は立ち行かなくなる」と危機感を募らせ、「採算の合わない仕事は断ることも必要だ」と配車マンに説くが、なかなかそれを実行に移せないのだ。「経営者としての考えを共有してほしいが難しい」とこぼすが、真面目で一生懸命なだけに強く否定もできず、じれったく感じているという。「荷主も大切だが、もう少し自社のことも考えてもらえたら」と指摘する。(高田直樹)

     
     
     
     
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