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トラックにも維新を! 運革協
2012年1月18日
運革協(八田廣實会長)は12月23日、納会を開催。200人以上の関係者が集まった。納会では、改革を断行する橋下徹大阪市長になぞらえ、「トラックにも維新を!」の声が相次いだ。運革議連の松浪健太衆議院議員も「誇りの持てる業界にしていくためにも『維新』を起こさなければならない。1月からの通常国会ではシステムの問題に踏み込んでいく」と強調。最低運賃の法制化、運賃料金算出システムの導入に向け、強い意欲を示した。
辰巳寛一専務は運革協のホームページに先日寄せられた一文を発表。40年間長距離運転者を務めあげた末、死亡した父親の手記を息子さんが投稿したもの。「風邪で高熱が出ても延着するわけにもいかず横にもなれない。全てのしわ寄せは個々のドライバーが担うのが現状で、間違いなく誇りを持ってできる仕事ではない。息子には絶対にさせたくない仕事。犠牲だらけの人生であった」などと綴られてあり、辰巳専務は「全国のドライバーが必死になって働いている。普通の生活すらできていない」と労働環境の改善を強く訴えた。実運送会社代表者の声を発表する場では、山本貞夫氏(三栄運輸)は「三重から九州まで11万9000円の運賃がファクス1枚で9万8000円に下げられた。うちは奴隷ではない。トラック運送業は変えないといけない」と強調し、トーカイロジテックの多喜端康弘氏は「長距離運転者は1日1000円で3食の生活を強いられている。人並みの生活水準を実現していかなければ」と窮状を訴えた。
ハートロジスティクスの堀謙次郎氏は「長時間労働で管理費が高騰し、限界に来ている。生き残るためには、いかに社員の給料を落とすかに業界全体が流れている」と現状打破の必要性を訴えた。福伸興業の衣川勝氏は「トラック運転者の誇りを取り戻すためにも3種免許は必要」と要望した。
来賓として駆けつけた松浪議員(運革議連の幹事長)は、「現場の改善にスピードを持って取り組まなければならず、時間はない。維新は戦いであり、戦いは勝たなければならない」とした上で「この業界はルールづくりができていない。1月からの国会では、システムの問題に踏み込んでいく」と強調。最低基準運賃の法制化、取扱事業の制約化、運賃料金算出システムの導入を国に働きかけていくとした。
納会には近畿のト協幹部も多数出席。京ト協理事の中嶋守氏、兵ト協理事で神戸中央支部長の松村守氏、同じく同協会理事の鳥居豊太郎氏が演壇に立ってあいさつした。松村氏は、「ドライバーの平均年齢は55歳に達し、高齢化は加速している。5?10年後には業界は完全に麻痺する。時間はない」と改革の必要性を訴え、ト協としても積極的に運革協と連携して諸問題に取り組んでいくと強調した。
最後に、松田孝司副会長は「運送業は使命、役割が大きく、日本経済の血液。『この業界がよかった』と若い人にバトンタッチできるようにしなければ。来年は国政を活発に動かし、1日も早く問題を解決していく」と述べた。(大塚 仁)
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