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荷物事故でクレーム 大手が出入り禁止に
2012年1月30日
先日、大手の運送会社が荷物事故で荷主からクレームを受け、出入り禁止の処分を受けたという。荷物事故は発生してから1週間も経って発覚したとのこと。荷物事故の当事者は、大手運送会社の協力事業者の下請け事業者。運転者はミスについて認識はしていたが、そのまま放置していたという。同じ荷主の荷物を扱う関西の運送会社社長によると、「荷主からの細かい伝達事項が実際に請け負う事業者まで正確に行き届いていない」と話しており、また「最初からピンハネ目的の営業で、現場に入って作業することは想定していない」と大手運送会社を批判していた。
仕事は新築現場への建築資材の搬入。運送会社によると、現場への材料搬入の際には、とび土工と呼ばれる建設業の許可が必要で、安全書類を作成して提出する必要がある。また、安全講習を受けて入場しなければならず、講習は半日に渡って受講する。現場によっては、書類不備を理由に入場できないケースもあるという。しかし、他社より安い単価で仕事を取ってきた大手運送会社は、建設業の許可を所持しておらず、安全書類も作成していなかった。当然、安全講習も受けておらず、同社長は「最初から下請け業者に仕事を振る目的で営業展開しているため」と指摘。大手運送会社が出入り禁止になったのは今回のようなミスが重なったためだ。
「仕事が暇になってくると、安い単価で市場を荒らしてくる。荷主もネームバリューと数字で判断するため、安いところへ流れていく。単に荷物の積み下ろしではなく、細かい指示が必要とされる作業が多い仕事のため、ミスが続出しやすい」。
結局、今回は同社に仕事が戻ってきたようだが、「元々が安い運賃の上、いくつもの事業者が介在すると、実際に走る事業者はさらに安く仕事を請け負うことになり、作業品質も低下する。大手運送会社は運行管理者の講習を行っているが、下請けの講習をきっちり行っているのかは疑問だ」とも話していた。(大塚 仁)
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