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利用された運送会社 見積書を使い運賃減
2012年1月31日
荷主にとって物流コストの削減は課題の一つであるが、荷主によっては、あれこれと色んな手を使って運賃の値下げを求めてくるところもあるようだ。関西のある運送会社では営業力を駆使して業績を伸ばしているが、仕事を実際に請け負っていなくても見込み客については積極的に足を運んでいる。見込み客とする1社の荷主から先日、見積もりを依頼された。見積もり依頼は今回で3回目。過去2回は提示した運賃に荷主は首を縦に振らず、今回は「『三度目の正直』とばかりに交渉に臨んだ」という。
他社では4トン車で、1日4万5000円で地場運行させている仕事。同社では3万7000円で見積書を提示した。「それでも十分採算ベースにのる」と踏んだ運送会社社長。荷主担当者は検討すると返答しただけで、以来、連絡はなくなったという。その後わかったことだが、荷主は現在使っている運送事業者に対し、同社が提示した見積書を見せ、「ある運送会社がこんな安い値段で見積もりを入れてきた」と、あたかも見積もりを申し込んできたようにして声をかけてきたといい、結局、現在仕事を請け負っている運送会社が、3万6000円で運行することになったという。
「値段さえ合えば仕事を出すような思わせぶりな態度が腹立たしい」と荷主の対応に激怒する運送会社社長。「このような行為は運送業界全体に関わる問題。今の運賃は時価販売のようなもので、荷主にいいように利用されている」と話していた。(大塚 仁)
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