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ダイレックス消滅へ 吸収される地元超優良企業
2012年2月15日
日立物流の連結子会社のダイレックス(田沢克二社長、札幌市東区)と北海道日立物流サービス(小林清社長、同西区)が合併し、4月1日から日立物流ダイレックスとしてスタートする。新会社の本社はダイレックス本社に置かれるものの、存続会社は北海道日立物流サービスとなり、ダイレックスは吸収される形で、道内の運送会社からは様々な声が聞かれる。
ダイレックスは北海道の有力企業ホーマックの物流子会社だったが、昨年2月に株式譲渡により日立物流の連結子会社となった。従業員1000人、売上高80億円を超える道内有数の物流企業が買収されたことは、道内の物流業界にとって当時も大きな驚きだった。4月に予定されている合併についても、かねて噂されていたことではあった。ダイレックスが消滅会社となるということに対し、同社従業員は「既定路線。日立物流の3PLのノウハウは圧倒的なレベルの高さで、これを経営資源として生かし、顧客満足度を更に高めていきたい」と話している。
一方、同社と取引のある札幌市の運送事業者は「北海道有数の3PL企業が日本有数の3PL企業の傘下に入り、今度は地域子会社に吸収される格好となった。日立物流にとっては、経営統合により更なる効率化を果たす狙いがあるのだろうが、経済状況が厳しい北海道が、東京に飲み込まれてしまうことを象徴しているようだ。心配なのは、これを契機に取引の縮小や、条件の変更といった現状の見直しが行われること」と打ち明ける。
同市の別の事業者も同様に、「ダイレックスが日立物流の傘下に入り、社長をはじめ経営陣がかなり送り込まれたようだが、現場レベルでは、これまでそれほど大きな変化はなく、日立物流のエッセンスがダイレックスに浸透するまで、かなり時間がかかるものと見ていた。我々からすれば、ダイレックスは長く地元の超優良企業であり、会社の規模やホーマックのブランドなど、仰ぎ見るような存在。これほどの会社が買収されたときも驚いたが、消滅会社となってしまうことに一抹の寂しさを感じる」と話す。
同市内の別の事業者は「日立物流グループとして道内の拠点を統合する動きは予想できたことだが、実際に発表を聞くと、やはり衝撃だ。北海道の物流業界はM&Aの意識が薄かったが、そうも言っていられない時代が来た。地方だからといってのんびりしていられない。大きな荷主・元請けと安定的な取引をしていても、いつ資本が変動するかわからないので、絶えず新規案件を開拓していかなければならないと改めて自覚した」と話している。(玉島雅基)
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