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    不具合は誰の責任か 排ガス浄化装置トラブル

    2012年3月15日

     
     
     

    truck4_0312.jpg 排ガス浄化装置が作動せず、出力が出なくなるのはメーカーの責任かユーザーの責任か? はたまた国交省はどのようなスタンスか。東ト協が会員事業者に「触媒装置の不具合状況」に関してアンケート調査したことで、散発的にしか認識しえなかった情報が定量化された。問題はもちろん、東京都だけでなく、各地で起きていることも本紙調べなどで分かってきた。だが、こうした状況を一概に「不具合」として扱っていない現行制度もあり、ただ定量化されただけで問題が解決されるとは言い難い状況もある。



     兵庫県内の事業者は昨年末の本紙取材に対し、比較的新しい「新長期」や「ポスト新長期」規制車で排ガス浄化装置の異常が頻発していることを明かしていた。高速道路上で走行中にエンジンが停止するなど、事故につながりかねない事例などを挙げた。幸い停車帯に入ることができたが、レッカーや予備車の出動で、「余計な出費ばかりがかさむ」(同社社長)状況だ。今後の取引もあるため、トラックディーラーにはそうした費用のほか修理費すら配慮してもらえていないという。

     近畿地方の別の事業者は、7年ほど前に導入したトラックの排ガス装置に同様の異常がみられるという。たびたび異常が出るため、そのたびにメンテナンス費が発生する。同事業者は、「近くの同業他社では、交換に96万円かかると告げられたという。新車として導入して乗り続けているものに、とてもそんなお金は払えない」と話す。

     ディーラー・メーカー側はどのような対処をしているのか。いすゞ自動車は昨年6月、約1年間販売した886台のトラックを対象に、「改善対策」を国交省に届け出ている。このときは、「エンジン制御プログラムの影響によって、NOxの排出が多くなる恐れがある」としていた。このように、不具合をメーカーが認めることによって対策が施されるものはごくまれなケースのようで、大半は「ユーザー側に責任がある」としている。

     たとえば、あるメーカーの排ガス浄化装置の説明書には、「燃料系の詰まりやインジェクターの劣化があると、うまく反応熱が発生できなくなり、すすの目詰まりなどの故障を引き起こす」と明記され、「お客様の使用条件により異なる」とも書かれている。

     つまり、説明書どおりの使用状況でない限り、客側に責任があるとうたうことで予防線を張るような記載とも読める。神戸運輸管理部・兵庫陸運部の担当者は、「排ガス装置は、これまでメーカーの言うように客側のメンテナンス状況によるものだと思っていたが、東ト協などの調査は思っていたより数が多い」として、国交省に情報を上げていくことを表明している。(西口訓生)

     
     
     
     
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