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情けかけて採用するも 金銭問題でトラブル
2012年5月23日
飼い犬に手を噛まれるという言葉があるが、運送事業者でもこういったことは多いようだ。大阪府堺市に本社を構える運送会社では以前、会社が倒産して勤めるところがないという配車を担当していた人物を知人を通じて紹介された。しかし、この人物は採用する前から評判が悪く、他社の運送会社経営者や配車担当者から注意するように助言されていた。社長は彼と面接したときに「就職に困り御社に断られたら、ほかにいくところがない」と懇願され、「彼自身が精進して一生懸命働いてくれるものと確信した」と当時を振り返る。
採用してからその配車担当者は懸命に働き、ドライバーとも協調性をもって接し、取引先の運送事業者や荷主とも良好な関係を結んでいった。仕事ぶりを常に管理していた社長も就職して1年が経過したことから、この配車担当者に事務所での配車業務を任せることにした。半年が経過した頃、他社の経営者から同社の配車担当者がドライバーや傭車担当者に対し、金銭を要求したという話を聞いた。社長は本人を信用していたので、遠まわしに『こういった事例を耳にしたが、ウチではそんなことはないか』と確認すると、配車担当者は絶対にないと答えた。
しかし、その後も同社の配車担当者から金銭を要求されたという話があり、ついに自社ドライバーに対しても金銭の要求があったことが判明した。社長が配車担当者を問い詰めたところ、約200万円の金銭のやり取りが存在した。
社長は本人と話し、会社と他社に返還する金額を弁償すると約束させ、配車担当者も金額を弁済し同社を退職した。その後、他社でドライバーとして働き始めたこの配車担当者は、現在勤める運送会社で同社長の悪口を語り、退社理由は伏せながら、自らを正当化する話などをしているという。社長は「本人のために当社も内密にしていたが、本来なら刑事事件の可能性もある。見る目がなかったと本当に思わされた」と嘆く。(佐藤弘行)
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