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積み込み立ち会いによる人件費負担 協力金、名前変え徴収
2012年9月27日
過去に荷主企業から協力金と称して、売り上げの5%を徴収され、弱い立場の運送事業者は言われるがままの状態であった。しかし、下請法の改正で、弱い立場の下請け事業者には優越的地位の濫用や物流特定指定などの施行により、ようやく協力金は事実上なくなったものと思われていた。しかし、名称や方法を変えて、今でも大手荷主企業の一部では、下請け運送会社から暴利をむさぼり続けているようだ。
大阪市内で運送業を営む会社は資本金1000万円の小さな会社で、社長自らが配車、事務をこなしている。同社はある日、大手荷主企業から「積み込み立ち会いによる人件費の負担」という名目で、売り上げの約3%の請求を受けた。荷主に請求の件を問いただすことも出来ず、納得がいかないまま、言われた通りに支払いを行っていた。同社は事業開始してまだ10年に満たない会社で、荷主開拓の末に、ようやくその荷主から仕事をもらえた経緯があり、荷主とともに自社の発展を願っていたが、今回の料金を請求されたことで「本当に、この荷主のパートナーとして今後も事業を行っていけるのか」と不安を感じている。
同社社長は「かつて協力金徴収で、多くの企業が指摘を受けて改善された。しかし、昨今の景気低迷で運賃は下落し、一方で輸送に関する経費は値上がりしており、ここに来ての『積み込み立ち会いで料金徴収』は、名称を変えた協力金であり、荷主に裏切られた気分になった」と話す。
公正取引委員会に、この件について確認すると、「優越的地位の濫用や物流特定指定などで問題になる可能性はある。ただし、取引の内容が名目通り正しい契約かどうかの判断が必要」と説明。
また、別の運送会社では建設関係の取引から、建設会社やそれに関係する荷主企業が、名前の記載のない飲食店の領収書を社長に持ち込み、その料金数万円を担当者が徴収するケースもあるようだ。運送事業者は荷主企業から都合のよい財布のように利用され、やはり強い業界への発展が必要だ。(佐藤弘行)
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