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    グレーゾーンの自動車管理業 要件は「運転者の交代」のみ

    2012年10月19日

     
     
     

    itami_1022.jpg トラックはあるが運転者の人件費を下げたいーー。まるでトラック運送業に見られる経営上の悩みのようだが、自家用車を抱える企業や官公庁の悩みである。「トラックを売却してウチのトラックを使って!」と運送事業者なら提案したいところだが、法的には「売却→運送契約」の必要すらない。では、運転者を派遣する人材派遣業なのかというと、その許認可すら必要なく、ただ運転者を交代するだけで法的要件が満たせてしまう。



     「トラックはまだまだ使えるが、財政難のため人件費削減の要請はある」。センターから市内の小学校・支援学校18校に給食を配送している兵庫県伊丹市。市教育委員会給食センターの鴨川憲之主査はそう話す。

     同氏によると、配送トラック9台はいずれも市の所有であり、自家用(白)ナンバー車。2006年ごろまでは配送業務は市職員が担っていたが、その後、民間業者に運転業務を委託した。

     現在、同市から配送業務の委託を受けているのは、東京に本社のある外食・レジャー産業を本業とする大手企業のグループ会社。HPの事業内容には「車両運行管理業、社会サービス事業を2本柱とする受託サービス」と記載がある。

     車両運行管理業は、またの名を「自家用自動車管理業」という。国交省旅客課はこの事業形態の定義について、「道路運送法の規制を受けない車両管理・運転の請負業」としている。具体的には、道路運送法2条3項および貨物自動車運送事業法2条2項にある「他人の需要に応じ、有償で自動車を使用して…」の部分の「自動車」が、「自己が保有する自動車」と定義することによって成り立つ業態だ。つまり、他者が保有する車を運転すれば「自家用自動車管理業」ということになる。

     こうした法の解釈について貨物課は、「92年ごろの国会で、そのような審議がされた」とだけ答えるにとどまり、国交省の恣意的解釈ではないことを示唆する。

     伊丹市の学校給食では、なぜ運送と派遣事業の縛りもない受託サービス事業者に運転業務を委託しているのか。同市教育委員会は数年前、地元の運送会社に給食配送を請け負ってくれるように交渉した経緯がある。しかし運送会社は、「市が所有するトラックは古く、安全性が保証できない。また、事故時には制約や処分、他の荷主への配慮などが必要。緑ナンバー車での業務委託ならば、すぐにでもやりたいが…」と言ったという。

     処分されることを避けようと、安全管理が確立しているトラック運送業者が受託するのをためらい、事業許認可すら設けていない自動車管理業者が大手を振って受託できてしまうという矛盾が生じている。同市によると、入札時や契約時の参加資格に交通安全上の資格要件は設けられていないという。

     また、自動車管理業者との契約がある近隣の別の市の職員は、「自動車管理業は違法とは言えないがグレーの部分がある。違法と分かればすぐに緑ナンバーの運送業者と契約したい」と話している。

     国交省・警察庁・経産省の所管法人として、92年に設立認可された日本自家用自動車管理業協会によると、「当初、自動車管理業は大手企業の役員車などを運転する業態として起こった。現在の正会員40社が請け負う車両数は1万500台。7割は民間企業からの受注で、残り3割が官公庁からの受注」だという。

     協会の認可は出したものの事業者としての許可もないため、国交省は自動車管理業の市場規模については分からないと話している。(西口訓生)

     
     
     
     
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