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    「フェリーのデータ、信頼性に問題」 北海商科大・佐藤教授指摘

    2012年11月26日

     
     
     

    suuji_1126.jpg 「北海道の物流情勢を正確に把握するために、ある基礎的なデータについて信頼性に大きな疑義を持っている」と話すのは、北海商科大学で物流システムや地域交通の研究を行う佐藤馨一教授。「これによって、『道内と道外間の輸送はフェリーがあるので、JR貨物が減っても大丈夫』といった鉄道軽視のおかしな思い込みが、広くもたらされたのではないか」と述べている。



     北海道の輸送統計を調べる際に最も信頼され、よく活用されているのは、北海道運輸局が監修し、北海道陸運協会が発行している「数字で見る北海道の運輸」で、毎年発行されている。

     同教授は、この中にある「道内と道外の間で、どの輸送モードがどれだけの貨物を運んだか」を示す基礎データ「道内?道外間機関別輸送量の推移」の、特に「フェリー」のデータの信頼性に問題があると指摘。これは国交省の「貨物地域流動調査」の数値を載せているもの。

     平成23年度版には、同16年度から21年度まで6年間の数値が載っている。これを見ると「JR」の輸送量はだいたい470万〜495万トンの間で安定的に推移している一方で、「フェリー」は630万〜1000万トンと振れ幅が極端に大きい。とりわけ同17年度から18年度の1年間では300万トンもの急激な落ち込みとなっており、輸送シェアも3.5%も急低下している。

     同教授は「この年度にフェリーの貨物が大幅に減り、北海道が困ったという事実はない。1年で300万トンも減るというデータは非現実的で、ベースとなる正しい数字とはいえない」とし、「この数字の落ち込みの原因は、18年度からフェリーの集計方法が『自動車輸送台数のみ』から『トン数ベース』の把握へと変わったこと」だと説明する。要するにフェリーの統計は17年度までは運んだトラックの台数のみを集計し、貨物の実トン数については考えていなかったのだという。

     集計方法が変わっても、実際の運用上で実トン数を把握できない場合も多いため、その際は「シャシー1台あたり17.81トン」「トラックは同じく11.08トン」といった係数を使って重量に換算している。同教授が問題視しているのは、「実トン数を把握してカウントした重量と、換算係数を使用して推計した重量の比率がどこにもなく、正確なフェリーの輸送重量が今もってわからない。本当にトン数を数えた貨物が何%あるのかもわからない。換算係数の根拠もわからない」ということだ。

     「行政を含めて多くの物流関係者にヒアリングしたが、誰も教えてくれなかった」という同教授は、換算係数の数字について、面白い推測をしている。シャシーの換算係数17.81トンとトラック11.08トンを足して2で割ると14.44トンになる。一方、北海道発のフェリー(で運んだとされる)輸送量を、運んだ台数で割れば14.45トンと換算係数とほぼ一致する。「台数は正確なので、換算係数を足して2で割った数に台数をかけたのがフェリーの輸送量になる。これならフェリーは全て換算した推計のデータではないのか」と疑問を投げかけている。

     同教授は「従来、道外との物流はフェリーが主役と考えられてきたが、本当に実トン数を把握すれば、フェリーは今の6割程度の数値になるのではないか。それならJR貨物とそれほどシェアは変わらない。JR貨物のデータは全て実測の信頼がおけるものだが、フェリーのデータは信頼性がない。統計データとして同じ土俵で考えてもいいとは思えない」としている。(玉島雅基)

     
     
     
     
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