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    NOx・PM問題で新たな負担 計画値と実際値の整合性検証なく

    2012年12月21日

     
     
     

    NOX_1217.jpg 自動車NOx・PM法に基づいて9年前に自治体が定めたNOxとPMの排出総量の数値までに、実際の排出量が低く保たれているにもかかわらず、対策が本来目的とする環境基準が達成できていない状況があることが、自治体の資料から分かった。環境部局の自治体担当者のなかにも、9年前の削減数値の設定手法が適当だったのかを疑問視する向きがある。しかし一方で関係自治体は、2020年を目標年度とする新たな削減数値作りに余念がない。計画値と実際値の整合性の検証がないまま、環境基準という錦の御旗のもとで自動車ユーザーに新たな負担が発生しようとしている。



     公害問題の象徴となった尼崎市を抱える兵庫県。県は03年8月、自動車由来のNOxとPMに関する「総量削減計画」を策定。その中に、本来の目的である環境基準達成のために必要なNOxとPMの削減量を明記した。10年度までにNOxは年間1万2000?までに、PMは同431?までにそれぞれ削減するというものだ。そのため、特にトラック事業者などがトラックの代替えなどを求められたことは記憶に新しい。では、その削減量はどうなったのか。

     自治体が環境省に進捗状況を報告する「進行管理調査」という文書がある。昨年度、兵庫県から報告された文書によると、NOxが9587?、PMが460・7?となっている。03年の計画から見ると、NOxは計画値を大きく下回って達成、一方のPMは30?程度非達成という結果に分かれた。

     では、本来目的の環境基準の達成状況はどうか。近畿地方整備局が今夏に出した調査などによると、NOxは管内の自動車排ガス専門の測定局2局で未達成。PMは全局で達成。本来目的の環境基準の達成状況と、その手段と位置づけられる総量の削減状況が錯綜する状況となった。

     県大気環境係の職員は、こうした状況について「9年前の計画数値を出した算定式の立て方が適当かどうか。算定のシミュレーションが(環境基準測定に影響を与える)道路構造までを加味しているとは思えない」と話す。だが、数値の整合性を検討する状況にはなっていないという。

     大阪府などでも似た状況になっていることは、府の公表資料などからも読み取れる。

     11月下旬。兵庫県担当者と、NOx・PM法の対策地域にあたる市町の担当者が神戸市内に集った。法に定められた20年を目標年度とする削減計画を立てるための準備的会合だ。県は削減計画と環境基準達成状況の整合性を検証しないまま、次の計画を立てることになり、計画の骨子までは既に公表されている。今月28日まではパブリックコメントも受け付ける。(西口訓生)

     
     
     
     
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