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    上昇する軽油価格 元売りの「新価格体系」が影響

    2013年2月1日

     
     
     

    stand_0204.jpg 軽油価格がじわじわと上がり始めている。資源エネルギー庁の調査では1月28日現在、スタンド価格で1リットル当たり140円を超える地域も出てきた。円高で安くならなかった軽油が、円安になると途端に値上がりする不思議な仕組みだが、元売り各社は円高で仕入れた「安値在庫」を「そのまま安く売る考えは全くない」と強調。トラック事業者にとっては死活問題で、全ト協(星野良三会長)も「危機感を持っている。状況を見ながら政府・与党に具体的な対策を求めていきたい」としている。



     軽油価格は現在、インタンクでも軒並み100円、110円を突破(東ト協調べ)するなど全国的に上昇傾向にある。中東の政情不安や欧米の景気回復による投機マネー流入で原油価格が高止まりしているほか、為替の円安傾向が背景と指摘されるが、それだけではない。08年から元売り各社が導入した「新価格体系」が大きく影響している。

     従来は、原油価格の変動に応じて国内の石油製品価格も変わる単純な仕組み(卸価格月決め方式)だったが、1か月以上のタイムラグなどで収益が急速に悪化した経験から、「週ごと」に東京工業品取引所(TOCOM)など「市場価格にリンク」したフォーミュラ(公式)で卸価格をタイムリーに決定する仕組みに変更した。

      
     元売りA社は「原油価格や為替レートは(値決めに)ほとんど関係ない」と言い切る。軽油価格は運送コストのほかブランド料も含む。先物取引の対象でもあり、非上場の「業転物」もある。同じブランドでも地域によって値段が異なるのは、こうした複雑な仕組みのためだ。「市場価格にリンク」は、ユーザーにとって非常に分かりにくく、資源エネ庁は昨年、軽油の価格決定メカニズムを解明し、透明化するための調査を開始。調査を受託した石油情報センターでは「現在、集計分析中」で、2月には結果がまとまるという。

     「円高で安く仕入れているはずで、円安になってすぐ値上げはおかしい」との指摘に元売りB社は、「70日分の備蓄を安く売ったら、次に必ず70日分を高く買うと保証してくれるのか」と反論。さらに、湾岸戦争で当時の石油連盟会長が国会で「安値在庫を安く売ったら仕入れが続かなくなる」と答弁したことを「石油業界は墨守している」と説明。「トラック運賃のようにダンピングする余裕はない」と付け加えた。

     「需給バランス」「国際地政学的要素(ジオポリティクス)」「金融的要因」で決まると言われる原油価格について、「中国、インド、ブラジルなどで石油製品の消費は鈍化しているものの、3要因を考えれば当然、上昇が予測される」と石油連盟。

     燃料サーチャージ緊急ガイドラインも昨年改定し、トラック事業者への普及促進が期待されていながら、導入企業は1割に満たない。ある事業者は「過去の経験では景気が良くなれば真っ先に軽油は急騰する。既に円安とアベノミクスのムードで値上がりしているが、われわれの業界の景気回復が追い付かないのに、経営を圧迫するばかり」とこぼす。

     全ト協は、年明けの自民党トラック議連の総会で「燃料対策への効果的な補助制度の創設」を要望。補正予算の環境対策関連で15億円の新規予算を獲得したが、「状況を見ながら二の矢、三の矢を放っていきたい」としている。(土居忠幸)

     
     
     
     
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