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運賃に転嫁できるか 消費税引き上げ前に対策を
2013年3月8日
平成26年4月に予定されている消費税率8%への引き上げ。景気が低迷していれば先送りされる可能性もあるが、いずれ8%、そして10%に引き上げられるが、運送会社は運賃に引き上げ分を転嫁できるのだろうか。スムーズな転嫁を期待する声は大きいものの、前回、3%から5%に引き上げられた際、運送業界は大幅な減収に見舞われている。
平成9年に消費税率が3%から5%に引き上げられた際、トラック運送事業の営業収入は次のようになった。同8年から同9年は11兆9061億円から12兆1586円に増加していたものが、同10年には11兆7728億円に減少。同11年には11兆3483億円にまで減少しており、消費税率の引き上げをきっかけに、運送業界の収入が激減している様子がうかがえる。
現在、「転嫁」に関してどのような動きがあるのか。政府の「消費税の円滑かつ適正な転嫁等に関する対策推進本部」では、基本方針を打ち出している。一つは「転嫁拒否等に関する相談体制の整備」。内閣府内に消費税価格転嫁等総合相談センター(仮称)を設置。また、拒否などの行為を取り締まるとともに被害者救済のため、独禁法・下請法の特例となる立法措置を講ずる、としている。
全ト協では「昨年から税制改革要望の中で、転嫁対策を要望している」(広報室)という。具体的には、自民党・公明党税制改正大綱の結果として「適正な転嫁を確保するため(略)強力な実効性のある転嫁対策を実現する」としている点を挙げている。
同9年4月に調査した政府のアンケートでは、サービス業での転嫁状況では28.4%が「転嫁できていない」とし、10年4月の調査でも29.5%が「転嫁できていない」と答えている。このまま消費税率の引き上げを迎えれば、同9年と同じ状況になる可能性は高いだろう。スムーズな転嫁ができるよう、万全の準備が必要となっている。(小西克弥)
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