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    トレーラハウス事務所 設置基準の厳格化検討

    2013年4月12日

     
     
     

    house_0412.jpg 中小トラック事業者(旧区域事業者)の市街化調整区域への進出に大きな役目を果たしている「トレーラハウス」。東日本大震災でも被災地で大活躍したことから、国交省自動車局は昨年12月、運行に関する基準緩和認定制度を一部改正。安全性確保を条件に「一時的な運行」ができるようになった。ところが最近、日本建築行政会議はトレーラハウスなど「車両を利用した工作物」の設置基準を厳格化する方向で検討を開始した。夏ごろまでに結論を出す構えで、トレーラハウス事務所の市街化調整区域での設置は「違反建築物」と判断される懸念も出てきた。



     日本建築行政会議は自治体の建築主事や確認検査員らで構成。建築基準法に基づき、建築物について具体的な細則を規定するなど建築行政に大きな影響力を持つ。市街化調整区域に設置できるトレーラハウスは様々な条件をクリアし、「車両を利用した工作物」(建築基準法第2条第1号)だが建築物ではないとされる。一方、「土地への定着性」があるもの、例えばガス、電気の設備配線、給排水の配管が「工具の要らない簡易な着脱式」でなければ建築物とみなされる。

     今回の見直しで、具体的にどのように厳格化されるかは分かっていないが、市街化調整区域での設置に大きな影響があるとみられる。許可申請から設置までの業務を受託する日本トレーラーハウス協会(大原邦彦会長)は、国交省住宅局などと連絡を取り合い、建築行政会議の規定に違反しないよう注意しながら、調整区域での事務所などの開設を支援してきた。調整区域への進出は、いまだに大手(旧路線事業者)が優遇されており、中小は「自治体の開発許可」が必要で、許可が下りるのは稀。このため「建築物ではない」トレーラハウスが注目され、09年12月に千葉県のトラック事業者が(調整区域で)認可されたのを皮切りに、今年3月末現在まで50件が認可されている。

     建築行政会議がここにきて設置基準の見直しを始めたのも、皮肉なことに運行緩和と同様、大震災がきっかけだった。被災地向けのトレーラハウス運搬では、違法な販売業者による違法な運送行為(無許可通行など)が幾つか摘発され、「設置」についても違法なケースが多く見られた。

     特に宮城県女川町でトレーラハウスを利用した「ホテル」をマスコミが大きく取り上げたことで建築行政側は態度を硬化。「これ以上、違法な設置は看過できない」と行政間で問題となり、見直しが決まったという。

     「運行」で基準緩和したばかりのトレーラハウスが、「建築」で規制強化されようとしているが、いずれも国交省の仕事。中小トラック事業者からは「運輸行政と建築行政が合体前の旧運輸省と旧建設省の縦割りのまま。国民不在の状況ではないか」と嘆く声も聞こえる。(土居忠幸)

     
     
     
     
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