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依然厳しい駐車取締り 条例制定で地域差生じる
2013年8月21日
大阪府のある運送会社の事務所内には、多くの駐車違反切符が貼り付けられている。5月から7月の3か月間のものだ。同社は酒類の配達を行っているが、標章に記載されていた放置時間はいずれも1?2分。「近くに駐車場もなく、余分に人を雇うこともできない。営業ナンバーは大目に見てほしい」と訴える同社社長。
同社に科された放置違反金は1件につき1万5000円。違反は年20件を超えるという。同社社長は「監視員は狙いやすい営業車をターゲットにしている。私用の自家用車と仕事の営業車の区別をして欲しい」と不満を口にする。別の食品を配送する大阪府の事業者も都心部のレストランなどへ配送業務を行っているが、やはり駐車取り締まりに頭を抱える。80台中30台が食品輸送で占められているが、同社社長は、「トラックを止めるところがなさ過ぎる」とトラック用の駐車場、コインパーキングなどが需要に応じ切れていないと訴える。また、「昔は店の軒先で商品を下ろしていたが、今は受け入れ先の人員削減で所定の場所まで商品を持っていく必要があり、どうしても時間がかかる。このままでは、食品部門は見直さざるを得ない」と食品輸送からの撤退も考えている。
路線業者も取り締まりのターゲットになりやすい。宅配を行う大阪の大手路線業者では今年、運転者が助手席に助手を残して配達に行っている間に監視員がトラックの助手に「直ちに動かせるか」と言い寄り、助手が携帯電話で運転者を呼んでいる数分の間に違反切符を切られている。
関係者によると駐車違反の取り締まりは地域差があり、貨物車について、路上における荷物の積み下ろしは15分まで許可するという条例を制定している地域もある。大ト協では大阪府警に対し、度々貨物車の駐車違反に関する要望書を提出しているが、いまだにこれといった効果は出ていない。大ト協は、「海コンでも切り離しシャシーを取り締まったりと、環境対策と結びつけて警察と住民が重点的に貨物車の駐車違反車両を取り締まる傾向にある。大阪でも繁華街では厳しく、新しいビルは駐車場があるが、古いビルは駐車場やパーキングメーターがない所もある。もっと貨物車にとって使い勝手のいいように要望を行っていく」と話している。
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