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新トラック運送経営のヒント(81)まだまだ多い「だろう」経営
2013年9月6日
監査の選定理由の約10%が「労働局から国交省への通報」。今年6月に関東運輸局が発表した「貨物自動車運送事業の行政処分の概要(平成24年度)」からの分析で分かった内容です。平成24年度の監査件数は全部で1173件。そのうちの127件が、なんと「労働局から国交省への通報」だったのです。
つい先日も、中部地区のある運送会社が「車両停止235日」の行政処分を受けました。実は、この運送会社の監査のキッカケ、選定理由が「労働局から国交省への通報」だったのです。平成24年5月に「是正勧告書」を交付した旨の通報が労働局から国交省にされ、同12月に国交省の巡回監査が実施されました。労働局の通報から?約7か月後?ということになります。監査で指摘された主な法令違反は?労働法令が守られていなかった(拘束時間、休息期間、連続運転時間、運転時間などの国交省告示基準の違反)?点呼が実施できていなかった?運行指示書による指示ができていなかった–ほか5件です。
この行政処分の結果をみて、本当に残念に思いました。なぜ、労働局の監査から国交省の監査までの約7か月間、法令違反を「放置」していたのか。ここに運送会社の大きな問題点があるのです。
是正報告書を労働局に提出すれば一件落着。そう軽く考えていなかったか。すべては社長の考えの甘さに行き着きます。労働局の監査を受けたら国交省に通報されるかもしれない。ドライバーの安全運転で「かもしれない」運転をして事故を防止しよう、という話を聞いたことがあると思います。脇道から人や自転車や車が飛び出してくる?かもしれない?。深夜・早朝の交差点で赤信号を無視してくる人がいる?かもしれない?。
「かもしれない」運転の徹底は、ドライバーの事故防止に大きな効果があります。しかし、運送業経営ではどうでしょうか? 労働局の監査ぐらいで国交省の監査は入らない?だろう?。仮に国交省の監査が入っても大した行政処分にならない?だろう?。
「だろう」経営をしている社長さんはまだまだ多いです。「だろう」経営ではなく、「かもしれない」経営。安全な運送業経営を目指す社長さんの心構えですね。
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