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    特定車種の確保困難 オムニバス形式でみる現場変革ムード

    2013年10月7日

     
     
     

    truck1_1007.jpg 「今春からダンプを始めたが傭車は見つからず、自前で車両を作ろうとしても完成までの待ち時間は気が遠くなるほど長い。使える中古ダンプもない」とは過日、総合物流を手掛ける大手事業者に勤める旧友から聞いた話。ダンプや平ボディー、ユニック車など特定車種を中心に車両確保が大きな問題となっているが、それ以前にドライバー不足も深刻度を増している。「運賃値上げのラストチャンス。輸送力の供給不足をアピールすべきだ」との声も聞かれるなか、変革ムードが漂い始めている現場の様子をオムニバス形式で見る。



     「特需で最優先のダンプが1年待ち。平ボディーやタンク車などは後回し」と、車体製造を手掛ける社長は世間の噂が事実であることを説明するものの、「うちに依頼があった場合は(ダンプでも)もっと時間がかかると説明している」という。これまで同社ではトラックしか扱っておらず、その影響かと思ったが、そうではなかった。

     「ウイング車などの受注が芳しくないため、実際には10か月か、もっと早く完成させることができるかもしれない」。それにもかかわらず「1年以上」を譲らないのは、「特需で舞い込んだ新規の仕事」「いつまでダンプの忙しさが続くかわからない」という不安があるからという。「先払いする」ということなら、その際には全力で取り組む構えのようだ。

     こちらも忙しくなり始めている生コン車の話。自社保有をやめたい取引先から話があり、その生コン車を買い取って業容拡大に踏み切ろうと決心した社長。かなりの低年式車だったため、引き取る数台分の支払いを軽く考えていたが、これが大きな間違いだった様子。

     「平成一ケタ世代のミキサー車にもかかわらず、1台の値段は350万円ほど。交渉で少しは安くなったが、3分の1くらいだと想像していた」と苦笑い。それでも事業拡大の意欲は衰えず、「すぐ新車に変えてやろうと思っていたが…」と、ここでも問題に直面。かねて取引がある車体メーカーの担当者から、「ダンプ優先の流れだから、最低でも1年半はかかる」と聞かされたのだ。

     廃業を選択する小規模・零細事業者が増えているが、採算の合わない仕事に見切りを付ける実運送事業者も目立ってきた。事情を知ってか、中古トラックを高価で買い取るという専門業者からの勧誘が、仕事の依頼を上回るペースで電話がかかる異常ぶり。一部では、そうした現状が想定外の事態を招いている。

     その荷主の仕事は特殊で、専用車を作っている数社が出入りしているが、「そのうちの1社が撤退を決めた」と同業社長。各社が保有する車両数でバランスが取れていたため、数台が抜ければ回らなくなるとの思いから、同業者が車両の引き取りを打診したが不成立。「かなりの値段をブローカーが付けたようで、そこへ売却するようだ」と打ち明ける。

     「年度末や決算を控えた時期になると、いつもトラック・ディーラーの営業マンから『何台か買ってもらいたい』と相談を持ち掛けられていた」という平ボディー車がメーンの運送社長。しかし、どうも今年は勝手が違うようだ。

     「そういえば、そんな話を今年は聞かなかった」という。とりたてて新車が必要ではないが、無理を聞くことで少しは安く購入できるメリットもある。「土木や建設関係の知人からダンプやクレーン車が足りない状況を聞いているが、その影響ということか」と納得ぎみだ。

     「運送会社にも修理難民が出てきた」と話すのは、食品輸送をメーンに手掛ける運送社長。オークションなどで手に入れたトラックの修理を引き受けてくれる整備工場が見つからないケースもあるが、修理代などの滞納によってディーラーに見限られる事業者も出ているらしい。

     仕方なく地元で細々とやっているモータースなどに依頼していたものの、そこが業績不振で廃業や倒産となると、「もはや引受先を探すことは不可能。高く買い取ってくれるうちにトラックを売って、やり直すことも選択肢に含めて考えるべき…そんなことを話す機会もある」と心中は複雑なようだ。

     
     
     
     
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