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    増税後の荷動き予測 業界に及ぼす影響は

    2014年2月17日

     
     
     

     4月から実施される消費税8%。その後、段階的に平成27年10月からは10%に引き上げられる予定だが、運送業界に及ぼす影響は、どんなものだろうか。「デフレからの脱却」を合言葉に「アベノミクス」を展開しているなかで、政策の柱でもある「金融緩和」と「国土強靭化計画(大規模公共投資)」はデフレ対策として有効に機能しているようだが、国民の一部は「実感はない」と言う。株価の上昇や賃金アップの動きはあるものの、今回の増税が物流業界にどんな影響を及ぼすか、各方面の意見を集約してみた。



     今回の消費増税について、愛知県内の運送会社に話を聞いてみると、「増税に関しては、それほど心配していない。4月になれば粛々と進めていくだけ」と話す。他の運送会社は「荷主に対しては、書面で通知している。サーチャージの問題もあるので気にしていない」と、静観の様子。「ほとんどの会社で問題はないと思うが、零細企業の小さな事業所だと、税込み価格の受注額ならなかなか言い出せずに、結局は単価の切り下げもあり得る」と指摘する見方もある。

     大手自動車メーカーのひざ元である豊田市内の運送会社の動きはどうか。キャリアカーで新車を輸送する運送会社社長は「今は仕事が多く忙しい。春以降はどうなるかわからないが…」と先を不安視しながらも、好調な様子。自動車部品輸送などを手掛ける物流会社は、自動車部品や住宅輸送を主軸としているため、駆け込み需要の影響を受けており、売り上げは堅調の模様。ただ、売れるハイブリッドカーなど車種によって仕事への影響が分散しているという。

     住宅については、注文住宅や請負契約の住宅の場合は、新消費税率施行の半年前までに契約していないと新税率が適用するため、住宅の駆け込みピークはすでに下火。自動車は、新車販売はエコカー補助金など、これまで国の需要喚起策が続いていたこともあり、すでに需要が前倒しされている。今回の増税に関わらず「西三河地区は、仕事に恵まれている地域」と補足する。

     自動車にかかる税金については、4月から「自動車取得税」が現行の5%から3%に、軽自動車の場合は3%から2%にそれぞれ引き下げられる(消費税率10%時には廃止の予定)。増税といっても、駆け込み需要のメリットは実際にはそれほど大きな差はなく、変わらないかもしれない。

     現在の荷動きの動向も消費税増税を楽観視・不安視する運送事業者に分けられる。「まったくトラックが足りない」という愛知県の運送事業者。建築関係の仕事をメーンに展開しているが、「仕事が多すぎて、トラックがいくらあっても足りない。傭車に出しているが、それでも追いつかない」と、好調な様子。消費税については「それほど気にしていない。気にしたって仕方がない」とあきらめている。

     しかし、「2月になってクルマが止まった」という運送事業者もいる。事業所を訪ねると車庫にトラックが並んでおり、「それほど荷動きが止まった」という。「このまま消費税がアップされたら、どうなるかわからない」と、戦々恐々としている。

     「8%への影響はないだろう。問題は10%になるとき」と話すのは愛知県内の運送事業者。「今回の値上げは景気が上向きという状況だからいい。それほど影響はないはず。10%の際、景気が鈍化したら、マイナス分を協力費として請求されるかもしれない」と、不安を口にする。

     公取委と中小企業庁は「消費税の転嫁拒否に関する15万件調査」を実施したが、7.3%が「既に転嫁拒否を受けている。または今後、転嫁拒否を受けることを懸念している」と回答している。4月以降、この数値が増加していくことが予想される。運送事業者の一人は「業界団体がスムーズな消費税転嫁の対策を講じるべきだ」と訴えている。

     
     
     
     
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