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    ドライブレコーダーの義務化、標準化は

    2014年3月14日

     
     
     

    gazou_0317.jpg 交通事故と隣り合わせにあるトラック業界では、事故処理のトラブルが後を絶たない。そのため、トラブル解消に効果を発揮するドライブレコーダーの存在は大きく、導入する事業者も年々増えている。こうした中、トラックのみならず、すべての自動車へのドライブレコーダーの標準装備を訴える声が出てきた。事故後のトラブル解消だけではなく、ドライバーに安全運転を促し、ひいては事故防止につながるというもの。果たして、行政による義務化、あるいは自動車メーカーによる標準化はあるのか。ドライブレコーダー導入の現状を追った。



     「事故後の迅速な処理だけでなく、事故防止にも大いに効果があるのに、なぜドラレコは全自動車標準装備にならないのか」と首をかしげるのは昭栄運輸(埼玉県行田市)の林克則社長。同社はこれまで、交通事故での保険会社とのやりとりで、幾度となく納得のいかない交渉を経験したという。

     「交通事故はあくまで結果からみる判例主義でしかない。過去の判例に照らして処理が行われる」と指摘する林社長は、「同じような事故でも過程が全く違うこともある」という。例えば、車線をはみ出してきた車にぶつけられても、双方に動いていれば当てられた側にも過失が生じると保険会社は主張する。「おかしな話だが、判例がある以上はそれが根拠とされる」と、同社長は指摘する。

     また、他の自動車の割り込みが原因で加害者となる場合もある。しかし、それを証明するためには割り込んだ自動車を探さなければならない。すでに逃げてしまった自動車を探すのは至難の技で、「結局、原因を作った自動車を除いて、加害者と被害者の双方で判例に従って処理されるのが関の山」だという。

     「こうした問題を解消するためにも、全自動車へのドラレコ導入は効果があるのではないか」と同社長は主張する。全自動車に装着されていれば、判例を持ちださずとも映像から原因を特定しやすく、より公平な判断が下せる。また、原因が第3者にある事故の場合でも、映像から原因となった自動車を探し出せる可能性が高まるという。

     さらに、事故防止にも役立つと指摘する。「いつも自分の運転を誰かに見られているという意識が芽生える。自ずと無謀な運転をしなくなり、事故が起きにくい環境が作れるのではないか」という。事故現場では今、ドラレコの映像が効果を発揮している。業界でもドラレコに記録されたヒヤリハット映像を安全会議に活用する事業者も少なくない。

     メーカーや行政は、ドラレコをどう捉えているのか。UDトラックスでは、「過失がどちらにあるかが争点となる裁判で、事故の記録として活用されるドラレコは撮影範囲や映像時間の長さなど顧客ニーズはさまざま。装備も年々多様化しているため、標準搭載できるまで市場が成熟化していない」と指摘する。

     また、いすゞ自動車では「メーカー各社から様々な製品が出ているため、希望に添った製品を選択できる方がユーザーの利便性を考えると良いのではないか」としている。

     三菱ふそうトラック・バスでは、「標準化すれば値段も高くなる。現段階では標準化ではなく、ユーザーの好みで選べるほうがいい」としている。

     一方、国交省では、「原則、年間の事故削減効果の高い装置から義務化の検討をする」とした上で、「今年11月に衝突被害軽減ブレーキの装着義務化を決定している」というものの、ドラレコに関しては「事故防止ではなく、あくまで事故調査の観点であって、標準化は今のところ考えていない」(自動車局技術政策課)としている。

     標準装備になると、車両価格も上がるため、ユーザーから強い要望が出ていないのが実情。標準装備は、まだまだ先のことといえる。

     
     
     
     
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