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    他社とは違う工夫 ニーズにいかに対応するか

    2014年4月14日

     
     
     

    sagyo_0414.jpg 価格競争で運賃水準が下がる一方で、燃料高騰などによりコストが上昇しており、トラック業界を取り巻く経営環境は厳しさを増している。しかし、こうした厳しい中でも利益を出し、成長する事業者があるのも事実だ。時代のニーズにあった経営、すなわち荷主ニーズにいかに対応するかが最も重要だといえるが、利益を出し成長する事業者には、すべからく自社独自のポリシーや創意工夫がある。



     食品輸送を手掛ける首都圏の事業者では、自社で整備工場を営んでいる。経営の多角化と思いきや内実は全く違う。同社は食品輸送だけに24時間365日稼働が当たり前だ。

     そのため、同社のトラックは休みなく動いていることになる。機械だけに当然、故障が生じることもある。以前は「トラックは故障するのが当たり前」と理解していた同社では、「故障して荷主に迷惑をかけても仕方がない。自社ではどうすることもできない」と考えていたという。

     しかし、顧客サービスに妥協を許さない荷主の姿勢を見て考え直した。故障しないために、また故障した場合に素早く対応するにはどうするのか。

     当時、整備はすべてトラックディーラーに任せていたが、24時間365日稼働の同社と違い、ディーラーの整備工場の営業時間は限られるため対応が遅れることがあった。そこで「自社で整備工場を持てば迅速に対応できる」と考えた。同社の整備工場は利益の追求ではなく、あくまでトラックを故障させないようにすること。また、故障しても迅速に対応し、荷主に迷惑をかけないことが最大の目的である。

     一方、小売り企業を荷主に持つ首都圏の事業者は荷主の御用聞きに徹している。例えば、災害などで店舗の水が出ないという事態が発生すれば、同社が水を運び届ける任務を請け負う。また、別の店舗に問題が発生すると、どの取引先よりも早く駆け付け、問題解決に動くのだという。

     今では、荷主にトラブルが発生すると真っ先に同社へ連絡が入るようになった。対価を支払うという荷主に対し、同社は本業の輸送以外では一切料金はとらず無償サービスを貫いている。

     「荷主のトラブル解消はあくまでボランティアであって商売ではない。その代わり、本業の輸送ではしっかりと利益の出る運賃をいただいている」と同社社長は話す。御用聞きに徹し、荷主と切っても切れない関係を築くことで荷主の懐深くに入り込み、共に成長をしている同社には、経営環境の厳しさはない。

     他社と同じことをやれば価格競争に巻き込まれ、安い運賃での仕事を余儀なくされる。しかし、他社と違うことをすれば差別化され適正価格が収受できる。両社の姿勢からは、そうした意図がうかがい知れる。

     
     
     
     
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