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車検付きトレーラハウスの調整区域進出 行政も協力的
2014年4月21日
トレーラハウスを利用した中小トラック運送事業者の市街化調整区域への拠点進出が首都圏で相次いでいる。日本トレーラーハウス協会(大原邦彦会長)が手続き代行を行ったケースでも、今年1?3月で10社以上が進出。東日本大震災での活躍ぶりから、国交省がトレーラハウスを利用しやすく制度改正をしたことも追い風になっている。「建築物に該当しない」ため、都市計画法に抵触せず、合法的に調整区域に営業拠点を構えることのできるトレーラハウスに、自治体も理解を示し始めた。
多くの中小トラック運送事業者の車庫は、騒音や住民からの苦情で市街化区域から市街化調整区域に追いやられている。調整区域では、いまだに大手(旧路線事業者)が優遇される一方、中小(旧区域事業者)の場合、「公共のために供される開発行為」以外は認められず、車庫の敷地内で事務所など建築物を建てることができない。調整区域を管理する自治体による特別な開発許可が必要だが、ほとんど許可は下りないのが実情だ。そうした中、「建築物」ではないトレーラハウスが注目され、09年12月に千葉県のトラック事業者が初めて認可されたのを皮切りに、各地でトレーラハウスによる事業所認可が実現している。同協会が相談を受けた事案では、3月中旬にマルタケ運輸(武田功社長、埼玉県草加市)が群馬県、3月下旬に相生運送(鈴木猛社長、静岡県浜松市浜北区)が静岡県、直近では14日付で東京高速陸運(村田穂高社長、横浜市泉区)が神奈川県で、それぞれ事業所認可(事業計画の変更認可)を受けた。いずれの自治体もトレーラハウスによる調整区域進出の第1号。注目すべきは3社の共通点が、認可されたトレーラハウスがすべて「車検付き」であること。
東日本大震災でトレーラハウスの有効性が広く知られるようになり、国は道路運送車両の保安基準に基づく基準緩和認定制度を一部改正。トレーラハウスを運行しやすくした。「随時かつ任意に移動できる」ためにも、調整区域進出を許可するにあたり「車検付き」を条件とする自治体が増えているという。
大原氏は「今後も車検付きを条件とする傾向は強まるだろう。まだ建築行政側から誤った情報が流され、『本当に調整区域で(事業所認可が)取れるのか』というトラック運送事業者が多いが、運輸行政は非常に協力的。『調整区域にある車庫と事務所が離れていて安全点検にも苦労している』などという場合は、トレーラハウス活用を積極的に考えるべき」と話している。
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