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いまだに続く未払い裁判 経営意欲の喪失も…
2014年5月8日
近畿圏内でコンサルティングを行うA氏は「4月だけで2件の運送事業者の未払い賃金を求める訴訟の和解が行われた。最終的に1社は請求額240万円に対して90万円、もう1社は3人から1人120万円の請求に対して、50万・70万・80万円でそれぞれ和解が成立した。しかし、どちらの運送事業者も、運賃値上げや待機時間の短縮などを荷主に求めているものの、全くと言っていいほど理解が得られないという。こういった背景で、運送事業者は現在、窮地に立たされている状態。常に不安を感じているという経営者も多いのでは」と指摘する。
また、「最近では、労基署からの立ち入り調査の後、数か月から1年以内に運輸局からの監査が突然行われるというケースも増えている。労基署は、労働者からの相談や定期的な立ち入り調査を実施し、労働時間や拘束時間の長い運送事業者に対して是正を求める一方で、運輸局に対して監査を求めている。結果、何の連絡もない状態でいきなり監査が入り、事業者も更なる処分の対象となる。これが経営者の経営意欲の喪失にもつながっている」とし、「運送事業は昔から集約作業。荷主が荷物を作ってからしか仕事ができない。そのため、工場などで働く労働者と比べると拘束時間も労働時間も自然と長くなる。国もそれを十分理解しているにも関わらず、この状況を一切無視した状態で、荷主企業への指導は行われていない。今後、運送事業者はますます減少していくものと予想される」と語った。社長がいない間に入る監査、そして突然の裁判所からの呼び出しなど、運送事業を営む経営者にとっては不安になるのも十分理解できる。国も、運送事業者が適正に事業がなされる環境づくりと、そこで働くドライバーの生活の安定を本格的に考える必要があるのではないだろうか。
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