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    倒産・廃業増で企業組合加入を求めるドライバーが増加

    2014年5月16日

     
     
     

     燃料高騰や高速道路料金の割引廃止など厳しい状態が続く中で、運送業界では倒産や廃業が増加している。さらに、コンプライアンスが強化されたことから、個人償却制度を廃止する運送事業者もいる。こういった背景で、荷主は存在するものの自ら運送事業を行う資金力や人材もないことを理由としたドライバーらが、運輸企業組合に加入を求めるケースが増えていると言う。



     大阪府に本部を構える運輸企業組合Aの理事長は「昨年から組合に加入したいという問い合わせが増加している。実際、当組合にも紹介で加入した組合員が増えている」と話す。

     理由は、今まで勤めていた運送会社が倒産、もしくは廃業に至ったが、荷主企業は存在しているため、事業をドライバーらで継続したいというものだ。しかし資金がなく、新たに運送会社を立ち上げることができないといった少数のドライバーらが車両を購入し、もともとの荷主企業との取引で新たに同組合に加入し、現在、事業を開始している。中には、今まで個人償却を行っていた運送会社が突然、償却制度を廃止したことで、償却が行えないことから同組合に加入したいという事業者もいるようだ。

     同理事長は「当組合でも車庫用地の問題や、紹介なしで身元の分からない人を簡単に加入させられないことから断るケースもある。企業組合は一法人と同じでドライバー一人ひとりが経営者だが、誰か一人が大きな違反を起こせば、組合全体に大きく迷惑をかけることになる。組合としては慎重に審査して、組合員の加入を検討している」と話した。

     また、別の企業組合Bでも「組合員の新規加入はあったが、紹介での組合加入を行っても一見での加入は受け付けていない。個人が多く万一、違反や事故が発生すれば組合全体に迷惑になる。相談があっても紹介がなければ加入の受付も行わない」と、慎重な姿勢を見せている。

     しかし、今まで運送事業で働いていて個人償却などで行ってきたドライバーが、会社組織のなかで一社員として働くこともあるが、それを雇い入れする事業者も雇いにくいという状況もあるようだ。実際、大阪府下で過去に償却を行ってきたドライバーの採用を検討した運送会社でも、事業のノウハウは、ある程度理解していることから、「当社では下請けとして企業組合を紹介し、そこに加入して現在も傭車と言う形で同ドライバーを使用している」という。仕事上のトラブルやコンプライアンスを考えるならば傭車として使う方が、事業者にとってはやりやすいのかもしれない。

     今後、燃料高騰やコンプライアンスの関係から、さらに企業組合などへの加入を求めるドライバーも増えることが考えられそうだ。

     
     
     
     
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