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    高齢者頼みを危惧 大型で長距離を走る80歳

    2014年9月5日

     
     
     

    truck_0908.jpg 「80歳と聞いたときは正直、耳を疑った」と広島市の運送社長。トラックドライバーの絶対数が不足するなかで、安全第一が求められる実運送の最前線で大きなリスクが隠れ込もうとしている。年金受給の開始年齢が引き上げられ、所得ゼロの期間を回避するために国は65歳への定年延長を求めているが、ハンドルの担い手が足りないトラック業界では、70歳オーバーの現役も珍しくないのが実情。なかには大型車による長距離運行を任せる光景も見られるが、高齢ドライバーが第1当事者となる死亡事故が急増している現状もあり、早急な対応策が求められる。



     労働時間に見合う賃金確保の難しさや若者のクルマ離れ、それに追い打ちをかけるような新しい運転免許制度など複数のマイナス要素が絡むことで、ドライバー不足を一気に解消することは容易ではない。そうした事情もあってハンドルの担い手が高齢化の一途にある。

     国が求める定年延長をにらみながら近年、いったん60?62歳で区切りを付け、その後は1年更新による再雇用の制度を採り入れるトラック事業者が目立つ。ただ、それも従来は65歳で打ち切るケースが多かったが、求人しても応募がないことで「本人と十分に話し合い、健康状態を管理しながら70歳くらいまでなら2?や4?車で地場の仕事をしてもらうようになった」と岡山市の社長。

     話を聞くなかで70歳超の現役ドライバーを抱える運送事業者の多さに驚かされたが、それが不安に変わったのが冒頭のケース。「傭車で入ってきたドライバーが結構な年配に見えたので年齢を聞くと、なんと80歳。ウチが出す仕事は大型車で関東までだから、とんでもない話」と広島市の社長。さらに社長が事情を聞くと、そのドライバーは「若いときから年金を掛けておらず、稼がないと食べていけない」と、所属会社に長距離運行への変更を願い出た経緯を説明したという。

     あるトラックディーラーの営業マンから聞いた話は、さらに恐ろしいもの。「得意先の運送会社にも80歳代のドライバーがいたが、普段は健康状態も運転操作も良好。ただ、体調が悪い日もあって、そんなときは同僚らに尻を押し上げてもらいながら運転席へ乗り込む光景を見ることもあった」というから、まさに恐怖だ。

     警察庁のまとめによると、今年上半期(1?6月)における交通死亡事故の第1当事者を車種別に見た場合、明らかな異変が感じ取れる。1883件(前年同期比68件減)と件数自体も減り、乗用車やバスなどが軒並み減少するなかで、前年件数を上回ったのは「事業用大型」「同中型」「自家用普通」といった貨物車ばかり。事故防止に向けてトラック業界が総力を挙げている「総合安全プラン2009」の最終目標の達成にも黄色信号が点灯している。

     少子高齢化が加速しており、総務省のデータによれば分類的に「高齢者」とされる65歳以上の運転免許保有者は1470万5000人で全保有者の18%を占める。一方、死亡事故を第1当事者の年齢別で見た場合、平成20年以降は65歳以上がワーストを継続しており、しかも年を追うごとワースト2位との差は広がるばかり。昨年(3854件)は4件に1件が65歳以上のドライバーによるものだった。雇用の受け皿とするにはあまりにも危険な職種であることは確かで、営業トラックを抱える業界としても多方面からの対策が急がれる。

     
     
     
     
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