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    評価制度でモチベーションアップ ドライバー有効活用の工夫

    2014年10月6日

     
     
     

     限られたドライバーを、いかに有効に活用するかは運送事業者のテーマの一つと言っていい。ドライバーのモチベーションを上げる工夫の一つとして、「ドライバーの評価制度」がある。ドライバーコンテストなどの外部の表彰という形での評価制度もあるが、入賞者のほとんどが大手運送会社のドライバーという現状をみると、99%の中小事業者が、うまくこの機会を活用できるとは考えにくい。それでは、多くの事業者では、どのような評価制度を採用しているのか話を聞いてみた。



     とにかく誰でも分かりやすい評価制度を採用しているというのは、大阪府茨木市の事業者。「5段階評価で公平に評価するようにしている。キャリアアップに関しては優秀なドライバーには管理職になってもらう制度を設けている」。「大型資格取得で○○ポイントなど、ポイントをつけて月給にインセンティブをつけ、努力が報われるような環境整備を心がけている。ドライバーを大切にしていれば、すぐに辞めてしまうこともない」と話す。

     かつての失敗から適切な評価制度についての重要性を語るのは、大阪市西淀川区の事業者社長。「以前、ミスをよくするベテランよりも優秀な若手ドライバーの方が給与が低く、ドライバーが会社の体質改善を求めたことがあった。それ以来、真剣に評価制度を考え直し、頑張っているドライバーには勤務年数に関係なく報奨金を与えることにした。報奨金と言ってもすずめの涙程度だが、ドライバーには好評」と話す。

     給与体系を見直したという大阪府八尾市の事業者は「時間給だと長く働けば、それだけ多くの給与をもらえるが、効率的に仕事をこなすドライバーの給与が少なくなるという逆転現象が起こっていた」と当時を振り返る。また、「いくら社内で表彰や評価をされても、やはり外部の表彰に勝るものはない。しかし、ドライバーコンテストは大手が独占し、中小は時間の制約などから入賞レースにも入れない。何よりドライバーが主体性を持って働けるような職場にしていかなければならない」と持論を展開する。

     ドライバーの成長は会社の成長といえる。組織だけでなく個人の目標を設定し、自らを振り返る機会があれば、おのずとドライバーは伸びていくのではないだろうか。ドライバーは一度、社外へ出てしまえば監視の目はほとんどない。本人の自覚がいかに大事か、ということにつながってくる。上司だけでなく、同期の人や荷主、さらには後輩といった複数からの評価も時には必要だろう。

     国交省は中長期的なドライバーのキャリアアップに向けた公的資格制度の検討を始めている。運転免許以外に公的な資格がないドライバーに新たな付加価値をつけることで荷主からも評価されるような仕組みづくりを進めていく方針だ。

     一方、評価制度について「洗車手当、愛車手当などを導入しているところもあるが、ドライバーとして当然すべきことに報酬を出すのは違和感がある」と大阪府東大阪市の事業者社長は意見する。会社全体で話し合いながら評価制度を見直すことで、輸送品質の向上にもつながる。

     
     
     
     
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