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    実運送だけの責任か?「安全運行に必要なもの」非効率な現実

    2014年10月27日

     
     
     

    lift_1027.jpg 10月中旬、食品輸送をメーンに手掛ける兵庫県姫路市のトラック事業者を訪ねると、事務所の応接スペースで男性と話す神妙な面持ちの社長の姿が見えた。後で聞くと、男性は荷主である食品メーカーの窓口担当者だったことがわかった。「安全を再確認するための特別会議を開くとのことで、参加するようにという話だった」と説明する。これまでも何回か、同様のミーティングが設けられたことがあるようで、「集まるのは出入りするトラック事業者ばかり。製造部門である工場関係者も同席しなければ現場の改善は難しく、会議は単に弱い立場の反省会にすぎない」と吐き捨てる。



     少し古いが、厚労省がまとめた平成23年度の労災事故データに基づけば、陸上貨物運送事業における労災事故の7割が荷主の構内で起きていることがわかる。全ト協も昨年1月から、こうした事態を受けて主要な荷主団体へ協力要請を発信するなど対策を講じており、コンプライアンス意識の浸透度を再確認する荷主企業も増えている。

     一方、事故が発生した状況を見ると、荷役作業中が70%を占めており、フォークリフトの使用をはじめ、ドライバーによる荷物の積み下ろしを認めない事業場も出てきた。ただ、その影響でトラック事業者にとっては一段と待機時間が長くなるという問題も発生。工業原料を運ぶ岡山市の運送会社も?災禍?に見舞われた1社で、担当のドライバーによれば「あとパレット1枚を下ろせば荷下ろし終了というところで昼休みのチャイム。『運転手さんも休憩して』と言い残して作業を中断したからボーッと1時間、こちらは時間を潰すしかない」と、信じられないような非効率な現実があるという。

     「(次の到着指定の)時間が押していることで焦りがあるうえ、ふざけたような作業指示にイライラも募る。荷主の構内で労災事故が減ったとしても、今度は運行途上で交通事故を起こすリスクが高まるのではないか」と同社社長。ただでさえ拘束時間が長いドライバーの現状の説明とともに、臨機応変な積み下ろしへの改善を荷主に申し入れた。

     鋼材関係を扱う明石市の運送会社も「ドライバーが積み込みに手を出せなくなったのは構わないが、荷主も少人数で対応しようとするから待機車両の列が長くなる。そのうえ(荷造りが)素人仕事だからワイヤーの数が少なかったりするが、ドライバーが口を挟むと『これで大丈夫だ』と不満げに返されるらしい」と社長。いったん荷主の構内を出て、そこでドライバーがワイヤーを追加することもあるというから信じられない。

     冒頭の姫路市の食品輸送会社に届いた特別会議のテーマは「工場内での安全走行」と「確実・安全な運行計画」だった。社長によれば「場内の問題は、携帯電話を手にハンドル操作しているようなドライバーが目撃されたこともあり、運送協力会のメンバーで意識徹底を図る必要があるのは間違いない。ただ、肝心の『確実・安全』は運送会社だけで実現できる問題ではない」と続ける。

     加工食品の製造工場から、小売業者が構える全国各地の物流センターへ納品するのが同社の主力業務だが、「工場は作ることだけで、納品の工程には関心がない。ギリギリの時間まで作った商品を、例えば大阪で2時間、広島なら4時間もあれば届くはずという感覚でしかない。休まずに走っても間に合うかどうか…そんな現場の状況をわかろうとはしない」とボヤキ節。声がかかった今回の安全会議では「製造から積み込み、運送、荷下ろしまでの流れを『確実・安全』にこなすためには工場の責任者もメンバーに加えてもらいたい…そう申し入れるつもり」と話す。

     
     
     
     
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