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深刻な車両不足で依頼がたらい回しに…巡り巡って元の発注者に
2014年11月7日
取扱専業であっても車両確保が困難であるため、利益がなかなか得られないという愚痴も聞かれるほど、現在、車両不足は深刻となっている。特に、4?・大型車などの平車やトレーラ平車など、特殊車両はなかなか確保できない状況だ。大手運送会社ではコスト削減やコンプライアンスの面から自社車両を減らし、中小・零細の運送事業者に傭車を依頼するなどして売り上げや利益を確保する傾向が高い。しかし、一つの仕事が中小・零細の運送会社でたらい回しにされている場合もあるようだ。
大阪府堺市に本社を構え大型・トレーラ平車を保有する運送A社では先日、取引のある運送B社から、大阪から九州に向けての大型平車での輸送を依頼された。しかし、A社ではすでにほとんどの保有車両で仕事が確保されており、空車がなかったため、同業他社のC社へ傭車を依頼した。そして、このC社も空車がなかったことから、また別の同業他社D社に傭車を依頼。さらにD社でも車両がないとし、長年取引のある大手運送会社に依頼したところ、その大手運送会社とは、この仕事の発注者B社だった。つまり、巡り巡って仕事が元の発注者であるB社に戻るというハプニングが起きたのだ。A社社長は「今までなら、いくら忙しくても、当社から他社に依頼した時点で車両が確保できていた。しかし最近では、当社から他社に依頼し、その別の運送会社がさらに他社に依頼し、揚げ句の果てには元の発注者に戻るという。いかに現在、車両が不足しているかを物語っている」とし、「運賃が安ければ安いほどその傾向は大きく、大手運送会社から下請けの運送会社、そのまた下請け、さらに下請けへと巡り、手数料を取られて10万円の輸送でも7万5000円となり、最終的には誰も受けず、発注者に戻ってくる。車両不足が原因でとんでもないハプニングが発生したが、大手運送会社も車両不足を十分把握して、『安い運賃の仕事は下請けに』という構図は止めて、適切な運賃で傭車を依頼すれば、こういったトラブルも発生しないはず」と話す。
車両不足が原因であるものの、やはり大手運送会社の下請けに対する傭車要請の体質は、現在の厳しいドライバー不足、車両不足では成り立たなくなってきているようだ。
あちこちの運送会社に回される仕事や輸送については、どこに行っても引き受けてもらえないのが現状。受けた限り、やはり元請けや大手運送会社が行い、いい運賃については下請けに流すなどの体制に変えなければ、今回のようなハプニングは今後も増える可能性が高いかもしれない。
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