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    職安からの紹介 期待を裏切る求職者「失業給付の継続のため?」

    2014年11月12日

     
     
     

    truck3_1110.jpg 現在、年末の繁忙期に向けてドライバーの募集を行う運送会社も多く、ドライバー不足が深刻な中で、各運送会社でも様々な求人方法に取り組んでいるようだ。面接の連絡を受ければ来客は後回しにして「まずは面接」と優先するほど、必死にドライバーを求めているところもある。しかし、中には「『本当にドライバーになりたいのか』『働く気はあるのか』と疑いたくなるような求職者も多い」と、大阪府堺市の運送会社社長は語る。



     40年近く運送事業を行う同社社長は、「昨今の労働者は『楽に働きたい』という人が多いように思われる」と話す。20年以上前までは運送事業も一般企業も、一部を除いては土曜日も営業しており、1か月の稼働が最低でも25日はあった。しかし、「最近ではどこも完全週休2日制で、土曜日の仕事を探してもなかなか見つからず、公立の学校でも土曜日は休みという。日本は働き者の国から、あまり働かない国に変わってきている」とぼやく。

     さらに先日、記者が同社に訪問した際にも、公共職業安定所(ハローワーク)からの紹介で40代の男性が面接に訪れていた。同社の募集内容は「クレーン付き車両の乗務で運転経験のある人を優遇する」というもので、その男性は「クレーン付き車両の操作はできる」と自負しながらも、必要な資格は保持していなかった。さらに、トラックの運転についても免許は保持しているが、「乗車経験はない」とのこと。

     同社長も呆れ顔で「採用できない」と断ると、男性は何か書類を手渡してきた。それは「面接証明書」で、採用に至らなかったため再び職安で仕事を求めるという内容のもの。しかし同社長は、「面接当初から、あまり『働きたい』という熱意が伝わってこなかった。疑ってはいけないが…」としながらも、「失業保険の給付を継続してもらうため、とりあえず面接に来たという感じに見えた」と指摘。

     さらに、「われわれも忙しい合間を縫い、来客を少し待たせてまで面接に臨んでいる。『いい人材が来るか』と期待を膨らませても、働く気がないような相手であれば、その態度で察してしまい、貴重な時間を無駄にしたと脱力してしまう。もっと熱意のある人材の紹介を職安には期待したい」と語る。

     同高石市の運送会社でも、「職安から紹介をされてくる人材の中には、初めから断られるような態度の人も多い。切実に仕事を求めている人材なら、面接も一生懸命に受けてくれる。しかし、やはり失業保険給付金のこともあり、『もう少ししてから就職を…』と考える人もいるようだ」と話す。

     また、「当社では以前、入社して1か月程度で退職したドライバーがいた。そのドライバーは就職促進給付(再就職手当)をもらうために、失業給付の資格期限前に再就職することで一定の額が支給される制度を利用して、1、2か月と短期間で離職していたようだ。失業者にとって必要な制度だとは思うが、これは本当に再就職先が見つからない人のためのもの。考えすぎかもしれないが、一部では悪用されているように感じる」と指摘。

     さらに、「運送会社は切実にドライバーを求め、様々な方法で人材確保のために懸命に努力している。しかし、国などが求職者に対して保護しすぎではと感じられる部分も多い」とし、今後も真剣に仕事に就きたいという人からの応募を期待しているようだ。

     大阪府下の職安に尋ねると、「求職者が面接先の会社や企業から面接証明書をもらい、それに基づいて失業給付の延長なども行われていることから、会社や企業には大変迷惑をかけているが、理解と協力を頂いている」とし、「実際、過去に失業給付に対して厳しい措置が行われ、ある程度は紹介された会社や企業への就職が増加していると思われる。今後も求職者の雇用の安定を図っていきたい」と説明している。失業保険の給付は、雇用保険の掛けた日数や離職理由、年齢によって給付される期間が決まっており、基本的には90日から360日以内で決定される。そのため、中には資格通りに失業給付を得るために仕事を吟味してくる応募者もいるかもしれない。人手不足に喘ぐ運送事業者にとって、職安からの求職者には期待が持てないといった感じにもとられた。

     
     
     
     
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