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試験対策が難しい! 運行管理者試験の勉強方法を聞く
2017年8月25日
運行管理者試験センター発表による貨物の運行管理者試験合格率は、平成29年度3月実施のもので20・5%。「合格率が低いのは勉強せずに受けている層が毎年一定数いるから。しっかりと対策をすれば合格は難しくない」(愛知県の事業者)という声がある一方、「過去問を使って演習した時は全く問題なかったのに、いざ本番となるとうまくいかない」(同)、「範囲が膨大で、業務の合間に試験対策をするのは大変」(三重県の事業者)といった声もあり、一定の困難さが付随していることは否めない。しかし、「これからの時代、コンプライアンス違反とならないよう、事務所にいる運行管理者もローテーションさせて、常にだれかいる状態にする必要がある」(岐阜県の事業者)という声があるように、運行管理者の必要性は高まるばかりだ。今回は試験の合格者と、試験対策の専門家へ勉強方法を聞いた。
普段、業務を担当している運行管理者に何かあった時、本人が休めるように交代要員を確保できるよう務めているというホーメイ(渡邉豊明社長、名古屋市)に勤務するAさんは、2年前に運行管理者資格を取得。試験勉強について伺うと「最新のテキストを1冊に絞って試験対策を行っていた。法令集全てを暗記することなどは困難」と教えてくれた。フジコン(前田光代社長、愛知県一宮市)の鹿島歩さんは平成23年に受験し、合格を果たしている。勉強方法について「会社や家庭の仕事があり、勉強の時間を確保できなかった。しかし、子どもの習い事の時にできる時間などを活用し試験対策を行った。テキストが赤シート付きであったこともあり、外で勉強をする時には助けられた。勉強を続けるうちに問題の傾向などがつかめていった」。さらに「会社の後押しで参加したトラック協会の対策講座などを参考に、勉強すべきポイントを絞れた」とした。
鹿島さんは「試験傾向が変わることはあっても、根幹となる部分は変わらない。基本となる部分を覚え、重要な数字など抑えるべきポイントを一つずつ学習していったのがよかったのでは」とコメントしている。
貨物・旅客の両方で試験対策講師を務める他、対策テキストを作製している三宅均氏(オフィス三宅、岐阜県安八郡)に適切な学習方法を聞くと、「過去問を参照し出題者の意図する出題傾向を読み取り、そこから各条文のポイントを整理したのち、何回も読み直し、最後に過去問を解く」と答えてくれた。加えて「過去問をやっていると、ただ正解か不正解かという点に注目しがち。設問がどういったことを問うているのか考える他、条文の間違いを見る問題では間違っている部分を正しく修正するといった条文の理解、解釈の確認と対応に取り組みをすると良い」と注釈している。
出題傾向の把握や条文の重要なポイントの把握事例を聞くと「例えば、事業法・安全規則の条文を整理するとき、事業者のみが行うべきことや運行管理者のみが行うべきこと、運転者が順守すべきこと、事業者及び運行管理者が共通して行うべきこと、の四つに整理して覚えると良い。合わせて事業者のみか、運行管理者のみか、という点は混同しないよう注意する必要がある。混同しないためには、資金を必要とする施設の整備や保守、労働条件などの決定は事業者で、その中で管理や仕事の割り振りをするのが管理者と整理していくことが必要」とのこと。他にも「各種帳票類の保存期間については、保存期間が3年のもの(事故の記録、運転者教育の記録、運転者台帳)を覚えておけば、これら以外は1年と判断すればよい」と教えてくれた。
またこの他に、過去の出題傾向について、「いずれか」と「いずれも」、「ともに」と「かつ」など一文字や言葉を換えることにより解答者の読解力を試してくるということもあるので、出題者の作為にかからないよう、問題を丁寧に読んでいくといった注意が必要であるとのこと。また、「今までの傾向として法改正後6か月以内に試験が実施される場合には、関連問題が出題されないという傾向があるが、6か月を超えている場合には出題される確率が高くなるので、法改正があった時はチェックが必要」と教えてくれている。
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