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    ザイロ・太田社長「スポーツ用品物流の効率化を徹底」

    2009年5月12日

     
     
     

     スポーツ用品卸のゼット(渡辺泰男社長)は日立物流、佐川急便、イー・ロジットの3社と共同で物流会社「ジャスプロ」を4月に設立すると表明。スポーツ用品に特化した新物流会社の社長には、ゼットの物流機能を担うザイロ(大阪府東大阪市)の太田達男社長が就任する。
     少子高齢化を背景とした市場の縮小、ニーズの多様化に、1社の取り組みでは対応は難しいと合弁会社を設立。太田社長は「それぞれの会社の特徴を生かしつつ輸送コストの低減を図り、販路拡大につなげていきたい」と意気込みを語る。


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    太田社長
     ジャスプロは東京都台東区に本店を構え、資本金は6000万円。千葉県方面で物流センターを検討しており、初年度の売上高はザイロの加工物流を引き継ぐことで6億円、3年後には10億円を見込む。太田社長は「当面は売り上げ拡大だけではなく、同じ方向や大志を描くことが一致するメーカーなどを中心に、賛同を得ることに努めたい。『単なる3PL事業者に任す』『業務を委託する』という形ではうまくいかない」と話す。
     また、「メーカーでもない、小売店でもない卸問屋の我々が中心となって、合弁で手掛けることが成功の道と考えた。卸物流のノウハウを生かし、それぞれの会社の特徴をつなげていきたい」と、他社からの請負拡大を視野に入れ、スポーツ用品における物流全体の効率化を図っていく考えだ。
     「卸物流は、メーカーと小売店の間で要望が多様化してきた」という。そのため、卸物流の核の機能のプロ化が必要と、約2年前から社内でシステムとロジスティクスの頭文字を取った「SLプロジェクト」を立ち上げた。「ゼットは自社製品が約30%。卸としての物流機能を高めようと立ち上げた」。アウトソーシングが進む中、同社のシステムは100%自社開発だ。
     国内にはスポーツメーカーが約300社あり、全てが異業種ととらえている太田社長は「自動倉庫の導入も図ったが、異形物が多いため人の手でシステムの土台を構築する必要があった」と、スポーツ業界の特性を説明。
     「人の手で築き上げた方が、汎用性があり対応が良い。資金力で機械を導入すれば誰でも出来るが、他でまねが出来ないスポーツ用品の卸物流は人が築きあげる必要がある」と太田社長。その上で「営業として物流をどう戦略的に使うか、活用するかがポイントとなる」とし、営業を絡めた取り組みを進める。
     同社は、TCやクロスドッキングを用いて、「受注時間を出来るだけ引っ張り、その日のうちに発送を行っているが、非常に対応力に優れたシステムとなっている。これを軸に各社のノウハウを活用し、スポーツ用品卸物流のインフラを構築していきたい」と語る。
     「生産・販売に関しては、競合してしまうため一緒には出来ないが、物流は同じ業界であっても異業種。ここに需要がある」と太田社長。「コストダウンが目的だが、小売店が繁盛し、タイムリーに欠品なく売れる流れをサポートする。多様化するニーズに、物流と営業をスムーズにつなげる複合機能で、保管・流通加工から配送までの総合物流サービスを実現する体制を敷いていく」。
    (山田克明)

     
     
     
     
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