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物流ニュース
求人に大きな反響、ドライバー募集に応募60件
2009年3月17日
金融不安から景気の後退が続く経済環境にあって、派遣切りなど、雇用問題が大きくクローズアップされている。公務員の募集などには、これまで考えられなかった人数の応募が報じられ、雇用環境の厳しさが伝わってくる。労働者側にとって受難の時代を迎えているといえるが、経営者側にとって見れば、これは逆に優秀な人材確保のチャンスともいえる。
千葉県内の事業者は先月、新聞折り込みチラシでのドライバー募集の求人広告を掲載。同社社長によると、広告サイズは標準的なサイズで目立ったものではなかった。
「失業者が多く出て、もしかして今の時期なら、いい人材が来てくれるかもという期待があった」というものの、それほど期待もせずに出した広告だった。
しかし、いざふたを開けてみると、応募の電話が立て続けに鳴り、同社長自身も対応に忙しかった。結果、初日だけで40件以上の応募があり、期間中60件を超える応募に応対することになった。
これまで、求人広告を出しても1件の応募もなかったこともたびたびで、「ドライバーという職種は人気がないと半ば諦めていた」だけに、今回の反応には同社長も驚きを隠せない様子。また、以前よりも給料の額を下げて掲載したため、その驚きは大きかった。
「何件かの問い合わせがあればと考えていたが、これほどまでに反応があるとは」としたうえで、「経済情勢が本当に厳しいという裏返しでもあるので、予想もできない反応で嬉しい半面、心から喜べないのも正直なところ」と、複雑な胸のうちを明かす。
とはいえ、「じっくりと選んで雇用できるので、これまでとはまったく意味が違う」というように、買い手市場のいま、会社にとって人材確保はやりやすくなっている。
「仕事がないから人を増やせない」「人を採用するどころではなく、むしろ人を減らしたい」との声も多く、トラック業界も厳しい経営環境に直面しているのが実情だが、こうした中で優秀な人材確保を目指して奮闘する事業者の存在があるのも事実だ。(高田直樹記者) -
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