-
運送会社
あくなきエコドラへの挑戦 飛田運送
2009年4月9日
【兵庫】エコドライブ、安全教育をテーマとした社内講習会を定着させてきた飛田運送(飛田一季社長、兵庫県西脇市)。
通常運転をしている大型トラック1台が取り組めば、年間の軽油消費量で8000L強、CO2の排出量も同20tの削減につながるというエコドラ研修の内容からは、プロであるトラック関係者でさえ見落とすようなポイントを見つけることができる。長年の実施によって省エネによる改善の幅は狭まっているが、それでも燃料費だけで年間数十万円の効率化を実現している。
飛田社長(右)と宮崎部長
春分の日に開かれる同社の「エコドライブ・安全講習会」。今年も3月20日には同社の乗務員だけでなく、傭車先や取引のある運送会社のドライバーらも参加した。休日開催することで全員参加をめざす講習会は、丸1日かけて行われる。およそ90分間、損保・タイヤ業者から最新の事故判例や情報などを聴講した後、いすゞと、いすゞ自動車近畿がバックアップする勉強会が始まる。
省燃費・安全運転の確認や日常点検について座学をこなし、周辺の一般道を使った実際の運転操作や、点検作業などをプロ(いすゞ関係者)がチェック。一方、初任者には同社が徹底しているエコドラの趣旨を理解させるビデオ上映と通常の乗務、その後に燃料計を装着したトラックで実感させるカリキュラムが組まれている。
「初心に戻るという思いで今年のテーマは『基本の点検』。どこを見るかというポイントを再確認させるのが目的」と宮崎照之管理部長。入社後にオイル交換やタイヤの入れ替え、ホイールバランスの取り方などを教育することで、同社のドライバーは車両整備の基本的な知識を備えているが、さらに繰り返して学習することで体に染み込ませる。
一方、省エネ運転では「ガソリン車とは違い、ギアが入った状態でアクセルから足を離せば燃料消費がゼロになるのがディーゼルエンジンの特性だが、意外に知らないドライバーが多い。前方に赤信号が見えた時点でエンジンブレーキを使い、完全に停止しない状態なら2―3速で走り出すこともできる」と飛田社長。さらに驚かされるのは「空車で1000回転、荷物を積んでいても1200回転まででシフトアップ。うまく操作すれば7速で時速50kmでもノッキングはない」という。
「わずか数ccの燃料カットかもしれないが、大切なのは積み重ね。最初はドライバーも大変だが1か月もすれば慣れてくる」と宮崎部長。データ分析に基づいた日々の運行に加え、恒例の講習会での再確認による経営効果は、給料と賞与の形で現場へ還元されている。(長尾和仁記者) -
-
-
-
「運送会社」の 月別記事一覧
-
「運送会社」の新着記事
-
物流メルマガ