-
運送会社
ティーエルジャパン 日下達也社長「父からもらった言葉」
2020年11月13日
ティーエルジャパン(埼玉県越谷市)の日下達也社長の机には、父親に保証人になってもらった際の証書とともに、「いい時こそ気をつけろ、落ちるしかないんだから。悪い時こそくよくよするな、良くなるしかないんだから」という言葉が、常に目に見えるところに飾られている。
平成8年に営業ナンバーを取得し、順調に保有台数、売り上げを増やしていた同社だったが、5年後の同13年に資金繰りに窮し、行き詰まってしまう。
当時、2トン、4トン車を中心に12台ほど保有していたというが、燃料代も滞納し、修理代も払えない状態に陥ったという。
「経営者としての無知が原因だった」とし、「経営を知らないで経営していたので、今から思えば行き詰まるのは当たり前のことだった」と当時を振り返る日下社長。
資金がショートし、事業継続が困難に陥る。公務員だった父親に頭を下げ、保証人になってもらった。父親とともに越谷の公証役場に行き、公正証書に保証人として名前を書いてもらった。「証書に名前を書く父親の後ろ姿を見て、情けなくて涙がこぼれた」という同社長。父親は怒ることもなければ叱ることもなく、ただ保証人の欄に自分の名前を書いてくれたという。
そして落ち込んだ同社長に、「いい時こそ気をつけろ~」との言葉が記された本をそっと手渡した。
「あの時のことは一生忘れない」と話す同社長は、厳しいときには、その言葉と公正証書を見て、自分を奮い立たせたという。
あれからもうすぐ20年になる。月日の早さを感じるが、今は、大型、4トンを中心にトラックは40台まで増えた。自社保有の本社事務所も構えることができた。
「当時は自分自身もそうだが、従業員にも苦しい思いをさせてしまったので、もうそういう思いをさせたくなかった」と話す同社長は、価格は高くなっても、トラックはすべてカスタム仕様に切り替えた。
「まだまだ厳しい環境は続くし、いつどうなるかわからない」という同社長だが、「そんなときこそ、この言葉で自分を奮い立たせて、これからも取り組んでいきたい」と話している。
◎関連リンク→ 株式会社ティーエルジャパン
関連記事
-
-
-
-
「運送会社」の 月別記事一覧
-
「運送会社」の新着記事
-
物流メルマガ