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ブログ・高橋 聡
第187回:令和時代の運送業経営 ドライバー採用・定着編(1)
2020年12月10日
「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウィルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
さて、前号までに、コロナ禍の状況の下、BtoB物流・BtoC物流の現状やドライバー採用のし易い状況に変化した今、「採用すべき」あるいは「採用すべきでない」ドライバーの見分け方、「SNS履歴調査」の重要性などについて説明させていただきました。
今号よりコロナ禍での「採用」についてドライバー像の変化、「定着」のための施策などについてどう対応していけばいいのか、解説していきます。
さて、コロナ禍でドライバー採用の環境は変化していますが、せっかく採用したのになかなか定着せず、引き続きドライバー不足の状況となる会社も多いのが現状です。ここで改めてドライバー不足の問題を考えてみると、まずは「定着しない」という問題、そして「採用ができない」という問題の2つに分けて考えることができます。
ドライバーは3年以内に4割が辞めてしまうという統計もあり、元々定着率が低い傾向にありますが、やっと採用した方がすぐ辞めてしまうケースや、1~2年勤務して仕事を一通り覚えた方が突然辞めていくというケースもあります。ドライバ―が短期で辞めてしまう会社は「募集」「面接」の内容と実際の業務が違う、というのが大きな理由として挙げられます。また、添乗指導している先輩ドライバーから「ウチの会社って…」といった悪い情報が伝わり退職を申し出る、という事も起こっています。
研修・指導担当には会社の歴史や理念を良くわかっている先輩社員に担当させた方がいいでしょう。その場合、必ずしも仕事のスピードが速く能力の高い「できる先輩ドライバー」である必要はありません。「運送業務の実務スキル」が高いことと「ドライバーの指導スキル」とは別なものです。「指導スキル」は「わかりやすく」「粘り強く」「丁寧に」教える能力で、運転業務は普通レベルであるが「指導スキル」が高いタイプ、そのような素質を持つ人材、新人教育にはそのようなタイプの先輩社員に対応させること、コロナ禍において、そのような人材を会社として育成することが短期離職を防止する対策となるでしょう。
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筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
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