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ブログ・上西 一美
第39回:「悪意がない」ひき逃げ事故とは
2021年1月10日
皆さん、日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。先日、俳優の方がひき逃げ事件を起こしたことは、皆さんもよくご存知だと思います。
今回の事故は、内容を報道などで聞くと、かなり悪質なものと感じてしまいます。実は、私が見たドライブレコーダーの映像の中にも、ひき逃げ事故は数件あります。しかし、その事故の特徴は、「悪意がない」ひき逃げ事故です。
「悪意がない」とはどういう事故なのか? 例えば、あるタクシー会社で発生した事故は、子供と接触したタクシードライバーが、相手に声を掛けたところ、その子供が、「大丈夫」と言って立ち去ったため、大丈夫だと思い運行を続行。しかし、その夜に子供の親が警察に通報し、ひき逃げ事件として捜査されたケースです。
道交法では、運転者が事故を起こした時、警察に報告する義務がありますが、その運転者は勝手な判断で、現場を立ち去ってしまったので、厳密にいうとひき逃げとなってしまうのです。
では、このような場合、どうすれば良いのか? それは、相手が「大丈夫」と言って立ち去っても、必ず警察に報告してください。万一、相手がいなくなった場合でも、その旨を伝え、自分の連絡先を伝えてください。このような対応をすれば、相手が通報しても、ひき逃げ事故ではなく、最悪でも人身事故として処理されます。また、些細なことでも勝手な判断をせず、会社に報告するように社内で周知してください。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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