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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(318)人材育成について(17)A社の事例(1)
2020年12月21日
「シジフォスの神話」とはカミュの作品である。ギリシャ神話を題材にした作品で、シジフォスが重い石を何度も山の頂上に押し上げようとするが、その度に石が転がり落ちていく。際限がなく一種悲劇的な努力である。
この作品のイメージが、企業の人材育成の現場で蘇ることがある。日本的に言えば〝賽の河原〟。「小児が死んでから赴き、苦をうけるところ。冥士の三途の河原で小児の亡者が石を拾って、父母供養のために塔を造ろうとすると、鬼が来て壊す。これを地蔵菩薩が救うという。転じていくら積み重ねても無駄な努力」(「広辞苑」より)
人材育成の努力は、〝シジフォスの神話〟や〝賽の河原〟の如く、奥深いものがある。重い石をやっとこさ持ち上げて、ほっとする間もなく転がり落ちていく。それでもシジフォスは挑む。繰り返し繰り返し、重い石を背負っていく。賽の河原で、一つ石を積んでは父のため、二つ積んでは母のため」と念じて努力するが、その度に鬼が邪魔をする。結局、地蔵菩薩が救ってくれる。シジフォスの賽の河原のイメージが企業人の人材育成の努力に重なる。
運送業のA社、保有台数25台、従業員30人の中小企業である。社長が車1台で昭和48年創業する。A社の人材育成への取り組みを紹介する。 (つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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