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物流ニュース
文明堂物流サービス「周囲に影響されず安全・確実な配送を」
2009年9月18日
白クマの操り人形のCMで知られるカステラの文明堂は明治33年、長崎で創業。東京では創業者の実弟・宮崎甚左衛門氏が大正11年、上野黒門町に東京1号店を出したのが始まり。その後、「のれん分け」によって東京の文明堂は日本橋、銀座、麻布、新宿と4社に分かれた。浦和工場を主拠点とする「文明堂日本橋店」(加藤伸一社長、東京都中央区)の設立は昭和26年、現在では1都2府13県に400店舗以上で販売している。
柳瀬社長
浦和・横浜工場に併設する文明堂物流サービス(柳瀬敏朗社長)が請け負う配送業務は、文明堂日本橋店の東京近県地域。年中無休で製造する工場に合わせ、一年中休むことなく毎日、浦和営業所では8便、横浜営業所では4便のトラックを出す。そのうち2台は外部事業者の協力を得ている。
「もともと配送は外部の運送事業者に依頼していたが、31年前に物流を依頼していた会社が事業を止めることになったので買い取り、子会社として、この物流会社を設立した」と話すのは柳瀬社長。「グループの利益は、できるだけグループ内で環流する考え方を基本としている。外部からも仕事を請け負い、物流会社として業績を伸ばしていくという考えはない。物量が多くても少なくても、赤字を出すことなく、顧客先にきっちりと商品を届けることが使命」と説明する。
商品の動きについて「以前は、お中元やお歳暮といった類の贈答品だった。今は同じ贈答用でも、帰省などの手土産などに変わってきている。1年で一番多いのは敬老の日で、通常のルート便に加えて1日13─14台の臨時便が必要だ。イベントの開催時刻に合わせて会場に届けなければならないが、イベントは同じような時間に始まるケースが多い。この時期の配車はとても苦労する」という柳瀬社長は、浦和・横浜両方の配送ルートをすべて組んでいる。
「実際に道路状況を熟知しているのはドライバー。こちらでルートを組むが、最終的には担当ドライバーに確認してもらい調整する。各会場で楽しみに待っている方がいるので、時間通りに到着しなくてはいけない」と話す。
「のれん分け」で分社化した文明堂だが、各社の顧客である百貨店が、それぞれ広地域に多店舗展開するようになり、地域で住み分けしていた文明堂各社の販売・物流経路も複雑・煩雑になった。そこで日本橋文明堂と新宿文明堂で「文明堂東京」(ホールディングス形式)を設立。「顧客が混在する中で競合関係でなくなったことが大きなポイントだろう」と話す柳瀬社長は、もとは親会社で商品開発や生産部門を担当しており、浦和工場にも工場長として5年ほど在任していたこともある。
文明堂物流サービスに移籍して9年、柳瀬社長は「安全・確実が最優先。その上で、経済環境が変わろうと、問題なく出来るだけの効率化を図り、親会社に利益還元できるよう黒字経営を続けることが仕事」と語っている。この記事へのコメント
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