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    裏切られても、だまされても…「人材づくり」の難しさ

    2009年9月17日

     
     
     

     「自分がどれだけ腹を割った気になれるか。相手の腹を見せてもらった感触があるか」。人材確保に悩む兵庫県内の物流事業者は、従業員との信頼関係をこう表現する。そうした信頼関係を築いていても、「一番信用していた従業員に裏切られた」経験もこれまでにあったとか。


     配送センターに入り込んで業務を請け負っていた10年ほど前のこと。集金してきた現金や商品が、センター元請けの従業員に横領されたことが発覚した。元請け会社内部の業務の管理体制について、疑問をもち続けていた矢先のことだった。このときに気づいたのが「根っからのドロボーなんていない。ドロボーは会社が作りだしてしまうものだ」。傍目八目で、そうした関係がよく見えた。
     現在、配送を請け負っている販売会社の物流部内でも最近、同様のことが起きた。世間では優良企業で通っている販売会社だが、一歩中に入れば人材問題がまだ解決できていない。実際、販売店と物流センターとの関係など、最近とみに「優良企業」の恥部が見て取れるようになってきたという。
     「人材はつくるもの。金を出しさえすればいくらでも人は集まる、といった考えは違う」。そんな信念を持ちながら、裏切られてもだまされても人材づくりに精を出そうと、事業者はふんどしを締め直している。

     
     
     
     

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