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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(329)人材育成について(22)Aさんの事例(3)
2021年4月5日
経営の神様といわれている松下幸之助氏は、「何故松下は成長し人材が育っていったか」と問われて次のように答えた。「1つは私は病弱であったからです。会社をやめて独立したのも体が弱いので1人で働くしかないと思ったからです。体が弱いので人にまかせるしかない。人にやる気にさせて責任をもってもらうしかない。松下の事業部制のきっかけは私の病弱も1つの理由です。2つ目は学歴がないことです。小学校4年中退です。学歴がないから自分はえらいとお山の大将になることなく人の話しに耳を傾けて素直になれたのです」。
ALS患者であるAさんの生きざまから感じるのは、このピンチをチャンスにかえていく気力であり、この気力は社会への働きかけが力となっている。AさんはALSを広く社会に知ってもらおうと努力し、ついには、ALSだけでなく「難病を考える会」をつくる。公に尽くすハートが人材育成には大切である。
松下幸之助氏曰く「会社の仕事を公の仕事だと社員に訴えつづけ、理解してもらったことも成功の要因の1つと言えるわな。われわれの会社は個人の会社ではありません。公の天下の会社でありますよ。われわれは個人のために仕事をするのではない。われわれ自身だけのために経営をしているのではない。社会の人々のため社会の発展ために人々の幸せために仕事をするんですよ。そしたら社員の人たちがそうか、と。自分たちは自分たち自身のためだけではなく、社会のために働いておるんだと理解してくれた。そうであればなお一生懸命に仕事に取り組まんといかんということになった。一層誇りをもって仕事に取り組むようになった。いわば公に尽くす心意気というものが社員の中に生まれてきたんやな。それで会社が一段と発展したんや」
Aさんの生きざまは、人材育成について示唆受けるところ大である。
(以上)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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