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運送会社
大興運輸 100周年視野に人材育成、研修センター開設
2012年11月22日
【愛知】来年70周年を迎える大興運輸(室殿豊社長、刈谷市)は、来るべき次の100周年を見据え人材育成に注力。記念事業として、1年前倒しで研修事業の運営を開始した。4月に、みよし市に研修センターを開設。7月には、安全推進部教育訓練センター(西田林一郎センター長)がフル稼働した。室殿社長は「先輩たちが苦労して積み上げてきた歴史や文化、ノウハウは、教育訓練センターという場を通じて後進に伝承していきたい」と抱負を語る。
新たに開設した研修センターは、以前は物流センター機能を持つ物流子会社の本社施設だったため、一部改修しただけで使用が可能になった。座学研修の部屋を多数そろえ、屋内フォークリフトコースはトラックへの積み下ろし反復練習コースのほか2コースを設置。天候に左右されることなく通年で実施できるのがメリットだ。
センターの正面玄関に入ると、写真と表による展示スペースを設置。社史を学ぶことができる。室殿社長は「社史は飾るためにあるのではなく教育に使う。ゼロからスタートして現在がある。葛藤やぶつかり合いの競争の中で生き残ってきた歴史がある。そうした過程をDVDにまとめたい。歴史を見たうえで自分は何をすべきか、ディスカッションもしていきたい」と語る。
フォークリフトのカリキュラムは(1)新入社員の基礎教育(2)中堅社員の運転技術スキルアップ教育(3)物流パートナーの技量確認・認定の3分野で実施。座学が3時間、実技は12時間を受講。基準点で合否が判定される。
2012年度上期の教育計画では、職長、新任班長、物流パートナー指導者など現場監督者への教育が実施された。乗務員への指導強化を図るため、現場監督者の指導力を上げるのが狙いだ。
トラックのカリキュラムでは、ドライブレコーダーやデジタコを営業用のトラック全車両に搭載しており、データを解析シミュレーションできるIT機器もあり、事故事例を見て問題を抽出し指導に生かしている。年内に運転適性診断も実施する予定で、更なる教育の充実を目指す。
少しの傷でも動かなくなるデリケートな部品を扱ってきた実績が、輸送品質を向上させてきた。フォークリフト操作が輸送品質の核で、輸送とフォーク作業をセットとしたプログラムを設定。安全推進部教育グループの指導員がついてトレーニングし、パートナー会社も要請に応じ実施する。
「次のステップは人」と室殿社長。「技術だけでなく、運用していくマインドを育成していきたい。スキル(技術)はチェックできるが、それを使っていく意識改革が必要」として、会社の次の発展に備える。
◎関連リンク→ 大興運輸株式会社 -
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